2021年より放送されて、多くのアニメ通やアニメ好きの支持を集める『王様ランキング』。十日草輔による漫画も、現在16巻まで刊行中。いま、前作で語られなかったエピソードを描いた完全新作『王様ランキング 勇気の宝箱』が現在放送＆配信中だ。前作では、King Gnuら、今作ではAimerら人気アーティストをOP＆EDに起用していることでも話題の本作。前作から引き続き、プロデューサーを務める岡田麻衣子氏に、作品作りのこだわりや声優陣の魅力を教えていただいた。
■「ファーストインプレッションを大事にした声優の配役」
『王様ランキング』は、柔らかく優しいタッチの絵や色合いのアニメでありながら、背景の立体感や独自のファンタジー世界も魅力。その世界を形作るため、制作の中で参考にした作品などを聞いてみた。
「中世ヨーロッパの世界観を画面に取り入れようと思いました。たとえば、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ゲーム・オブ・スローンズ』、ほかにも映画・ドラマなど、いっぱい参考にしました」
やはり「神は細部に宿る」で、そのディテールへのこだわりは映像にそのまま現れている。
「背景の柔らかいタッチも、その設計図は書く必要があって。主に美術設定マンさんに示すためにどこの時代の何をモチーフにするかを、綿密に考えていきました。とはいえ、表現としてすごく細かくはしてないんです。むしろ、ある自由度の中で統一していきましょうという感じで進めていきました。とくに１クール目では、大きくその自由度から外れないようにして、時間がなくなっていく中でも枠の中で着実にやっていくような作り方をしました」
それがこのアニメのどこか懐かしい手触りに繋がっているような気がして、そのアプローチにはまさしく感嘆するばかり。
続いては、声優陣の魅力について尋ねた。キャスティングで気にかけた部分、大切にした部分はどんなところなのか。
「原作からのファーストインプレッションは大事にしていました。絵のイメージと、声のイメージが外れないようにということを、最初のテープオーディションから意識していましたね」
前作で素晴らしかったのは、ボッジとカゲの声のコンビネーション。ボッジを演じたのは当時新人声優だった日向未南、カゲ役は数々のレギュラーキャストで知られる村瀬歩だ。
「ボッジはテープオーディションのあと、スタジオオーディションをさせていただいたんです。そこにカゲ役の村瀬歩さんを呼んで、かけ合いをしてもらい、その中で、いろんなパターンの声を聞くことができました。
実は、ボッジ以外のキャスティングを最初に決めました。特にボッジと対となるカゲは重要なポジションなので、結構悩んだのかな(笑)。でも、村瀬さんの声の幅、ポテンシャルの高さを感じ大丈夫ですねとなり、オファーさせていただきました。村瀬さんはアニメでメイン級のキャラを演じることが多い中、カゲのような少し異質な存在をやってもらったら面白そうだなと感じたんです。しかも、実際にアフレコを拝見すると、その器用さに驚きました」
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