■ガンダムキャラで本格的な駆け引きが楽しめる対戦シミュレーションゲーム

 シミュレーションパートも本格的な作りとなっている。ガンダムのシミュレーションゲームといえば、1998年のプレイステーション用ゲーム『SDガンダム GGENERATION』からスタートした「Gジェネ」シリーズが思い浮かぶが、同シリーズ他、一般的なシミュレーションゲームのように、初めからユニットが居るのではない。まず、ユニットを生産するところから始まる点が面白かった。

 各陣営は、自分のターンが回ってくるたびに一定の収入を得られる。その収入を消費して、ユニットを生産することとなるのだ。強力なユニットほどコストも生産時間もかかるようになっている。収入は、フィールド上の町を占領することで増やすことができる。

 町を占領して収入を増やしていき、より強力なユニットを生産して、相手の拠点を占領したほうが勝ち。というシステムだ。

 ガンダムゲームというよりは、史実をモチーフとした『大戦略』や『信長の野望』に近いシステムとなっている。なので、資金のやり繰りもゲーム性の一部となっている。

 またアクションパートのバトルも、もちろん大きな影響を及ぼす。シミュレーションゲームは苦手でもアクションゲームは得意というプレイヤーは、性能の低いユニットでもバトルを有利に運ぶことができる。こうした、さまざまな要素の複合で勝負が決まるといった実に奥行きがあるゲームだった。

■コマンドバトルや、武者や騎士の参入も

 シリーズが進むごとにアップデートされ、変化があるのも『SDガンダムワールド ガチャポン戦士』シリーズの面白さの1つだ。

『ガチャポン戦士3 英雄戦記』では武者系や騎士系のシリーズも参入し、マップも原作のエピソードを基にしたものとなりストーリー性が色濃くなった。また前述したように戦闘はコマンド式となったが、これによってアクションが苦手な人でも楽しめる作りとなった。

 当時は、カードダスやプラモデルで武者系や騎士系が大人気だった時代で、それらが登場する『英雄戦記』は作風もシリアスで人気があった。

 とはいえ、やはり「ヒューマン」開発による「2」までのシステムが『ガチャポン戦士』の醍醐味と見る人は多いのではないだろうか。『SDガンダムX』では、再びシミュレーション要素とアクション要素の複合システムに戻る。アクションパートがアイデンティティだった『SDガンダムワールド ガチャポン戦士』シリーズとしては、原点回帰である。

 時代が進むと『ジージェネ』や『ギレンの野望』、『ガンダムVSガンダム』や『戦場の絆』など、さまざまなジャンルのガンダムゲームが出てくるが、『SDガンダムワールド ガチャポン戦士』シリーズには、これらの原型のようなシステムが見え隠れすることがある。今、世の中に出回っているガンダムゲームのほとんどが『ガチャポン戦士』シリーズから生まれたと言っても、過言では無いだろう。

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『ガチャポン戦士2』懐かしのゲーム画面