最近のガンダムゲームは、そのほとんどがシミュレーションやFPSだが、過去には格闘ゲームやRPGなど、さまざまなゲームが生まれてきた。
そんな中でもチャレンジングな内容で、ガンダムゲームの礎となったのが『SDガンダムワールド ガチャポン戦士』シリーズ。これは2頭身の「SDガンダム」を使用した初めてのテレビゲームで、1987年にファミコン・ディスクシステム用として発売された『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』が第1作。そしてファミコンで発売された『SDガンダムワールド ガチャポン戦士2 カプセル戦記』『SDガンダムワールド ガチャポン戦士3 英雄戦記』などへシリーズ化され、多くの子どもたちを夢中にさせた。
SD化されたモビルスーツのかわいさはもちろんのこと、小学生には少し難しいながらもやりごたえのあるシステムが採用されていた同シリーズ。その革新的なシステムは、今となってもなかなか見ることのできない魅力的な形式であったように思う。
■シミュレーション要素とアクション要素の複合ジャンル
『SDガンダムワールド ガチャポン戦士』シリーズの特徴といえば、ファミコン世代の多くの人がシミュレーション要素とアクション要素の融合について思い出すだろう。残念ながら「3」以降は純粋なシミュレーション要素のみとなってしまったが、この2つの要素を組み合わせたシステムはシリーズに断続的に採用されており、1997年にプレイステーションで発売された『SDガンダム G-CENTURY』にも引き継がれている。
フィールドではマップ上でキャラクターのコマを動かす戦略シミュレーションタイプに、そしてキャラクター同士が重なり合ってバトルになると、アクションゲームとなるというもので、SDとはいえ自分でモビルスーツを操る爽快感が味わえた。
アクションゲームパートでは、ユニットによって攻撃手段や強さが異なっている。ザクやジムなどの量産機は弱く、ガンダムやキュベレイといったワンオフのユニットは強めに設定されている。また、『機動戦士ガンダム』から『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』へと、原作の年代が進むほど登場機体が強くなる傾向がある。
ビームサーベルの無い射撃戦特化のユニットがあったり、当たり判定が強いビームナギナタを持つユニットがあったりと、各ユニットの個性が反映されており、アクションパートだけでもなかなかにやり込みがいがあった。