■『HAUNTEDじゃんくしょん』の「心に私がふたりいる」と「トレモロ」を歌う仲間由紀恵

 1995年から『電撃コミックガオ!』(メディアワークス)で、夢来鳥ねむ氏により連載開始された『HAUNTEDじゃんくしょん』。

 本作は、多くの霊が集まるといわれるS東高等学校(アニメ版では私立斉東高等学校とされている)に通う北城遥都ら“聖徒会”のメンバーが、“霊と人との共存”を目指して奮闘する物語になっている。

 本作は1997年にテレビアニメ化を果たしたのだが、アニメ版主題歌としてオープニングテーマ「心に私がふたりいる」と、エンディングテーマ「トレモロ」を歌っていたのが女優・仲間由紀恵だった。

 実は、“聖徒会”の副会長・朝比奈睦月の声優も担当していた仲間。彼女が歌う「心に私がふたりいる」は、打ち込みを基調としたシンセサイザーによる音色がボーカルと見事に溶け合ったかっこいい1曲となっており、対して、「トレモロ」は爽やかな曲調にドラマチックなコード進行が魅力で、仲間の明るくも切なげな歌声がしっとりと聴かせる曲に仕上がっている。

 当時は若手の俳優たちがアニメ声優や主題歌を担当することも多く、アニメとのタイアップはある意味“登竜門”とも言われる。2000年にドラマ『TRICK』シリーズが大ヒットしてトップ女優として認知された仲間にとっても、本作が登竜門だったのかもしれない。

 1996年頃から歌手としての活動をしていた彼女の楽曲は、人気ゲーム『ロックマンX4』のオープニングテーマ「負けない愛がきっとある」をはじめ、名曲が多いことでも知られている。

■『はなかっぱ』の「Jumping!」を歌う北乃きい

 NHKで2010年から放送されている『はなかっぱ』は、頭に花が咲くという「はなかっぱ一家」の日常が描かれ、子どもたちから大人気のアニメシリーズだ。

『はなかっぱ』の主題歌といえば、My Little Loverや今井絵理子上白石萌歌、島谷ひとみなど、そうそうたる歌手や芸能人が担当していることでも知られているが、なかでも女優・北乃きいが歌う「Jumping!」は、彼女の元気なイメージとマッチした爽やかな楽曲が人気となった。

 北乃は2010年ごろから歌手としての活動を開始しており、『はなかっぱ』をはじめバラエティー番組やドラマなどのタイアップにも多数起用されていた。エッジの効いた澄んだ声、抑揚のあるまっすぐな歌声が魅力となり、本作でエンディングテーマとして起用された際には、話題を呼んだ。

 定期的に主題歌が変更される『はなかっぱ』は、起用されるアーティストの豪華さから、たびたび主題歌にも注目が集まっている。今後も要チェックだ。

 

 シングルやアルバムをリリースするなど精力的に歌手として活動していた女優も多く、演技だけでなく歌手としてもその才能の片鱗を見せていた。そんな彼女たちの歌声を聞くと、また一味違った魅力に気づくことができる。今、考えると豪華すぎる主題歌の数々に注目しながら、作品を振り返ってみたい。

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