数々の映画やドラマで活躍する女優たちだが、かつてアニメの主題歌を歌っていた経歴を持つ人もいる。あらためて知ると、その意外さに驚くこともあるだろう。そこで今回は、アニメ主題歌を歌っていた“意外な女優”たちについてご紹介しよう。
■『忍ペンまん丸』の「ボクってまんまる」を歌う安達祐実
いがらしみきお氏による『忍ペンまん丸』は、1995年から1999年まで『月刊少年ガンガン』(エニックス(現:スクウェア・エニックス))で連載されていた。
新米忍者として念雅山にやってきたペンギンの「まん丸」が主人公で、礼儀正しく素直なまん丸が仲間たちと忍者の修行に励むという物語になっている。
“ほのぼの癒し系”として人気を博した『ぼのぼの』を、手がけたいがらし氏。『忍ペンまん丸』はいがらし氏にとって“少年漫画”に挑戦した作品で、あたたかみのある作風はそのままに忍者漫画としての見ごたえもある作品となっていた。
1997年からテレビアニメが約8カ月にわたって放送されたが、主題歌のオープニングテーマ「ボクってまんまる」を歌っていたのが、女優の安達祐実だった。幼少期から子役として活躍していた彼女は、1994年から放送されたテレビドラマ『家なき子』では当時12歳で主演を務め、一世を風靡した。
1993年頃から歌手としても活動をしている彼女だが、歌唱力はもちろん、かわいらしい声がチャームポイントで「ボクってまんまる」でも幼さの残る透明感のある歌声が話題となった。ポップなメロディにまん丸の前向きな性格が表れているような歌詞が乗っていて、当時はまだ10代の彼女にぴったりだったように思える。
放送終了から30年以上たった今でも「ふと聞きたくなる」「元気が出る」と、ファンから愛される1曲となっているようだ。
■『怪盗セイント・テール』の「時を越えて」を歌う松雪泰子
1994年から1996年まで『なかよし』(講談社)で連載された、立川恵氏による『怪盗セイント・テール』。本作は中学2年生の主人公・羽丘芽美が、犯罪の被害者である“迷える子羊”を救うため、「怪盗セイント・テール」として盗難品などを取り返していく痛快な物語だ。
本作は日本のみならず世界中でも人気を博し、1995年から放送されたテレビアニメは韓国や台湾、香港などで翻訳され放送されていた。そして、このアニメ版第1話から第24話のオープニングテーマとして起用されたのが、女優・松雪泰子が歌う「時を越えて」だった。
爽やかなミディアムテンポの曲調と松雪の歌声がマッチした主題歌で、現在の妖艶な雰囲気とはガラリとイメージが違っているため、彼女が歌っていたことを知って驚く人も少なくないようだ。
1993年から放送されたテレビドラマ『白鳥麗子でございます!』で人気を博した松雪だが、当時は音楽活動も精力的に行っていた。1995年から1999年にかけてシングルやアルバムなども多数リリースしており、テレビドラマの主題歌やCMソングなど多岐にわたり起用されていたようだ。
ちなみに「時を越えて」のあとは、松田聖子が歌う「明日へと駆け出してゆこう」が最終話までの主題歌となっていた。どちらの曲も往年のファンには堪らない名曲であり、『怪盗セイント・テール』の制作陣の主題歌へのこだわりが感じられる選曲となっている。