■金が欲しい! と通う闘技場で天敵が現れた恐怖の時間

『ファイアーエムブレム』は経験値だけでなく、お金も結構シビアです。武器の買い替えだけならなんとかなりますが、秘密の店でクラスチェンジやステータスアップのアイテムを買い出すとまるで足りません。そこでお金(ついでに経験値)を稼ぐために闘技場へ通うことになるのですが、そこは危険に満ち溢れた場所なのです。

『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』

 提示された相手と戦い、勝てばお金と経験値がもらえますが、負けたら当然死あるのみ。死なれては困るのでエース級を投入することになるのですが、まれにどうしても勝てない相手や、飛行系の自軍ユニットに対して弱点である弓使いが現れるなどのヤバすぎるアクシデントも起こります。

 しかも闘技場の戦闘はどちらかが死ぬまで止まらず、キャラが死ぬまで見続けるハメになることに。闘技場通いはマップを制圧してから行うのがセオリーで、つまりマップクリア直前まで遊んだにも関わらずやり直しを迫るのはかなりのストレス。運の悪さと引き際を誤った自分の判断に身もだえしながらリセットした回数は数え切れませんが、自己嫌悪感からかその日はもう『ファイアーエムブレム』に触れなかったことを覚えています。

『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』

■取り返しがつかないからこそリセットボタンの威力が光る!

 リセットボタンを押す判断の前には、取り返しのつかない要素が欠かせません。キャラクターのロストはもちろんのこと、RPGなどで取り逃したものがあった場合、前のセーブデータからやり直すなんてのもその一つでしょう。

 現在の『ファイアーエムブレム』シリーズはキャラがロストしない難易度「カジュアル」や、「竜の時水晶」や「天刻の拍動」といった行動を巻き戻せるシステムもあり、そういった苦悩から解放されてゲームを楽しめます。しかし、取り返しがつかないからこそテレビの前で悩んだり、泣く泣くリセットボタンを押したという強烈な思い出になったのだと思います。神のごとき力を持つリセットボタン。気楽に押せないゲームだったからこそ、このボタンが記憶の中で光り輝いているのかもしれません。

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