■“非モテ女子”の主人公はモテコーチを得て人生が激変!『高校デビュー』長嶋晴菜
同じく『別冊マーガレット』で、2003年から連載されていた河原和音氏の『高校デビュー』(集英社)。本作は部活一筋の中学校生活を終えた主人公・長嶋晴菜が、高校入学を機に愛読していた少女漫画のような恋愛をしようと奮闘する物語だ。
雑誌などから“モテ”を独自に研究した晴菜は、恋愛のきっかけを作ろうと自分なりの“モテ”をつめこんだファッションに身を包み、ナンパ待ちをしていた。しかし彼女のファッションセンスはどこかズレており、ナンパどころか声がかかることすらない……。そんな晴菜が偶然出会ったのが、超モテ男で“男ウケ”を熟知している小宮山ヨウだった。
同じ高校の先輩だったこともあり、思い切って彼に“モテコーチ”を頼むことにした晴菜。このアクションによって、彼女は人生初の「好きな人」ができ、やがて恋人同士になるなど人生が激変していくことになる。
“男ウケ”とはほど遠い“非モテ女子”だった晴菜が、めげることなく“コーチを頼む”という彼女らしい発想で前に進もうとする本作。何事もあきらめるのではなく、自分を変えようとひたむきに努力する晴菜の姿には胸を打たれるものがある。
こうしてみると少女漫画のヒロインたちは、自分の置かれた“逆境”を嘆くことなく、自分の失敗を活かしたり、魅力を最大限に利用したりすることで乗り越えている。もちろん、少女漫画のヒロインたちのようにはなかなかいかないかもしれないが、一生懸命な彼女たちの姿にくすりとし、勇気をもらえたり、励まされることもあると思う。
もしかしたら、新生活を送るうえでのヒントになるかもしれない少女漫画の数々。ぜひ、この機会に読み返してみてはいかがだろうか。