スーファミ時代の『ファイナルファンタジー』“ドット絵”でも「ここが本気で怖かった」トラウマエピソード3選の画像
スーパーファミコン『ファイナルファンタジーVI』(編集部撮影)
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 4月6日、PS4およびNintendoSwitch版の『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』が4月20日に発売されることが発表された。ファミコン、そしてスーパーファミコン時代の名作RPGである『ファイナルファンタジー』シリーズの『I』から『VI』までの6作品が2Dリマスターされて蘇る。

 進歩が著しいゲーム業界において、最近のゲームグラフィックの美しさには思わず見入ってしまうが、ドット絵時代のゲームもそれはそれで魅力的だった。キャラの表情の違いや動作など、細かい部分を見極めることは難しかったものの、セリフやBGMなどの演出からそれらを想像で補うことができ、そうしたシーンが不思議とプレイヤーの記憶に長く残る。

『FF』シリーズだけでも、感動するシーン、怒りに震えるシーン、悲しいシーンなどなど色々なエピソードが描かれてきたが、今回はドット絵時代でも十分に「怖さが伝わった」シーンをいくつか振り返っていきたい。

■「われわれは ここを さらねばならん…」

 まずは『ファイナルファンタジー4』から、主人公の仲間キャラクターの一人であるエブラーナ国第一王子・エッジの両親のエピソード。

 彼の祖国は、ゴルベーザ四天王の一人であるルビカンテによって滅ぼされており、エッジは殺された両親の復讐のために主人公たちの仲間になることを決意するが、その後、バブイルの塔で殺害されたと思っていた両親と再会。しかし喜びも束の間、2人の様子がおかしい。

 ルビカンテに拉致されたエッジの両親は、その後、彼の手下であるルゲイエ博士によりモンスターとして体を改造されていた。エブラーナ王は、ライオンと熊を混ぜたような姿に、そしてエブラーナ王妃はさらに醜悪な容姿で、蛇のような細長い全身に頭部にはコウモリのような羽を生やしているというデザイン。ドット絵であるものの、顔だけは美しいまま残っており、半妖の不気味さを感じさせる見た目になっていた。

 戦闘開始直後こそ、「まとめて じごくのすなに してやろう!」と息をまいていた2人だったものの、良心を取り戻すと憂いを帯びたBGMへと移り変わる。そして王と王妃は、もう自分たちが人ではなくなっていることを告げ「いきていては いけない そんざいなのだ」「いしきのあるうちに われわれは ここを さらねばならん…」と息子に語りかけ、最後は自ら命を絶ってしまう。

 戦闘中、エッジは必死に両親に「どうしちまったんだい!? おやじっ!おふくろっ!」「オレだよっ なあっ…」と呼びかけるが、ようやく会えた2人が化け物になっている悲しさ、不気味さはドット絵でも十分に伝わるインパクトのあるものだった。シリーズを代表するトラウマシーンのひとつだ。

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