1980年代のファミコン創成期にはさまざまなゲームが発売されたが、単純ながらも中毒性のあるアクションパズルゲームにはハマったものだった。1984年7月には名作『ロードランナー』(ハドソン)がファミコンに移植されて爆発的な人気を呼び、筆者も友人宅に集まっては自分で作ったステージを披露していたものだった。
だが、アクションパズルゲームには『ロードランナー』に負けない名作ゲームがたくさん登場している。筆者の独断だが、見事なまでに少年時代にハマった名作アクションパズルゲームを紹介しよう。
■さすが任天堂! シンプルながら抜群の中毒性でハマった『クルクルランド』
まずは、1984年11月に任天堂から発売された『クルクルランド』だ。ボールのような体をしている「グルッピー」を操作し、クルクルランドに隠された金塊を制限時間内に見つけるという単純なゲームだ。
だが、そのシステムはよく考えられている。クルクルランドには不思議な力が働いているので、グルッピーは自分で方向転換ができない。そこで、ターンポストに手をかけて回転するのだが、右方向に移動しているときに上に行きたいときはターンポストの手前で十字キーの上を押さなければならない。押した方向に手が出るので、うまく方向転換をするのだ。もちろん、追いかけ回す敵キャラ「ウニラ」の追跡を避けながら、電撃波で攻撃もしていく。
金塊が隠されたポイントを通過すると、その場所に金塊が表示され、残りの金塊数が減っていく。また、たまにゴム状のラバートラップが隠されているのだが、調子に乗ってウニラとギリギリの攻防を楽しんでいると、これに跳ね返されてウニラに接触してしまうこともあった。また、ウニラが出現するブラックホールを通過するときには、必ずターンポストで回らないと吸い込まれてしまう。
このゲームにはかなりハマった。ターンして壁に跳ね返され、自分の進む方向とウニラの行動を予測しながらなので、頭を使うし反射神経も重要だったな。
それにしても任天堂は凄い。こんなシンプルながらも長く遊べて中毒性のあるゲームを、ファミコン初期にオリジナルでよく制作したものだ。説明書にも書いてあったが、金塊が何かの絵柄になって表示されるのも楽しみの一つだったな。
■ハートを取り戻すために時限爆弾をセット! タイトーの名作『ちゃっくんぽっぷ』
次は、1985年5月にタイトーから発売された『ちゃっくんぽっぷ』だ。アーケード版は、前年にすでに稼働していた人気作である。
このゲームでは、単調な時限タイマーのような音が流れている。主人公の「ちゃっくん」は爆弾を所持しており、これを放り投げて敵モンスターを倒し、檻に監禁されたハートを助け出すというストーリー。
檻を爆弾で壊すとハートはなぜかブレイクされずにフラフラと舞い上がり、画面右上にある抜け道を塞いでいるブロックを崩してくれる。これで「ちゃっくん」が脱出できるようになるのだが、迷路の丈夫には「まいた」という謎のモンスターがいて、カタツムリのようにゆっくりと右に移動して邪魔してくるのだ。コヤツが出口を塞ぐとゲームオーバーとなるので、いわば“制限時間”のようなものだった。
このゲームは単純なのだが、意外にも神経をすり減らす。「ちゃっくん」はブロックに張りつくことができるものの、側面にはへばりつけない。端までくると落ちてしまうのだ。もっと張りつけよと言いたいところだが、それだと操作が簡単になってしまうのだろう。
敵モンスターに追いつめられるとパニックになってしまって、自分で爆弾に巻き込まれてしまうこともあったな。手に汗握る展開になりやすく、緊張感があったゲームだったぞ。