『龍が如く』『ペルソナ5』『Ghost of Tsushima』も…なぜか土地勘がある!? ゲームしかやっていないのに“行った気になれる名作”3選の画像
『ペルソナ5』 PS3(アトラス)

 ゲームの舞台となる土地や町は架空のものが多いが、そのすべてがフィクションかというと、そうでもなかったりする。ときには、我々が実際に訪れることができる街並みや土地の情景が、ゲームのなかでリアルに再現されることも。プレイするだけで土地勘までも身についてしまう、現実のスポットをモチーフにしたゲームについて見ていこう。

■関東・関西の主要都市を完全再現!? 超人気の“箱庭ゲー”『龍が如く』

 2005年にセガより発売されたPS2ソフト『龍が如く』は、ヤクザや裏社会といった重々しいテーマを扱いながらも、独特の世界観、自由度の高いゲーム性、重厚なシナリオが人気を博し、今もなおナンバリングタイトルが作成されているセガの代表作だ。

 初代『龍が如く』では、東京にある架空の街「神室町」が舞台となっているが、このモチーフとして東京新宿区に存在する日本最大の歓楽街・歌舞伎町が使用されている。

 歌舞伎町の顔とも呼べるネオンをはじめ、路地の数や建物の配置、コマ劇前やゴールデン街といったさまざまな人気スポットが、リアルなスケールで再現されているから面白い。肉体や武器を駆使した喧嘩アクションやサスペンス性の強いストーリーに加え、このリアルな街を自由気ままに探索することができるのも、本作の魅力の一つだろう。

 細かい店舗の名前や建物名などは変えているものの、作中には実際のチェーン店が登場したり、セガのゲームセンターでレトロゲーが遊べたりと、とことん“リアル”な街並みが再現されている。

『龍が如く』は、のちにナンバリングタイトルが発売されるが、大阪・道頓堀をモチーフにした「蒼天堀」や、広島・尾道をモチーフにした「尾道仁涯町」、横浜・中華街近辺をモチーフにした「伊勢佐木異人町」など、関西や関東にあるさまざまな土地がゲームの舞台として登場した。

 実際にモチーフとなった土地を“聖地巡礼”として訪れるファンも多いのだが、その再現度の高さには脱帽してしまうようで、初めて来たはずなのに長らくその土地に住んでいるような“土地勘”が身に着いている……なんてことも珍しくはない。

 本シリーズは完璧に再現された街を自由に探索できることから、“箱庭ゲー”というジャンルの代表タイトルとしても知られている。実際にモチーフになった場所に赴くと、ゲームの激闘や濃厚なドラマシーンが、思わず蘇ってくること間違いなしだ。

■怪盗団たちが駆け抜けたリアルな“東京”の街並み! 『ペルソナ5』

 2016年にアトラスより発売されたPS3、4ソフト『ペルソナ5』は、架空の東京を舞台に、“ペルソナ”と呼ばれる力に目覚めた少年・少女たちが人々の“欲望”を盗む“怪盗団”として活躍する、RPG作品だ。

 本作は日常パート、探索パートに分かれて物語が進行していくのだが、日常パートでは主人公らが暮らす東京の街を探索することができる。店に立ち寄るのはもちろんのこと、街の人々と交流を深めていくことで“ペルソナ”の力を強化していくことが可能だ。

 名前こそ変えているものの、登場する場所はほぼそのままのディティールで、とくに主人公ら怪盗団が作戦会議に使っている渋谷駅の連絡通路や、ゲームに登場する「セントラル街」のモチーフになった渋谷センター街など、渋谷近辺は非常に再現度が高い。

 また、主人公は居候をしながら学校に通うのだが、居候先の喫茶店がある「四軒茶屋」は、ずばり世田谷区の“三軒茶屋”の街並みを模している。路地が多く、建物がひしめき合っている雰囲気がうまく再現されており、ゲーム内のスポット「富士の湯」のモチーフとなった銭湯「千代の湯」といった店舗も健在だ。

 配置や店名などは微妙に違うものの、現実世界の看板の色合いを再現していたり、空間の雰囲気をそのままゲームに落とし込んでいるため、主人公を操作しながらも自身をそこに投影させ、ちょっとした東京観光を楽しむことができる。

 また、これ以外にも「蒼山一丁目」や「埋浜」、「銀坐」といった、現実世界をモチーフにした架空の地名がいくつも登場する。街並みこそゲームに登場はしないものの、もし訪れることができたらどんな景色になるのだろう……と、ゲームをプレイしながら、思わず期待に胸を膨らませてしまう。

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