誕生日記念!林原めぐみさんを初めて知ったキャラクターは? 綾波レイ、灰原哀、早乙女らんま…類まれな声優力を考察(80年代、90年代編)の画像
貞本義行先生の描いた綾波レイ。 【愛蔵版】『新世紀エヴァンゲリオン(2)』(KADOKAWA刊)より。 © KADOKAWA CORPORATION 2023
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3月30日は声優・林原めぐみさんのお誕生日! アニメに興味がない方でもその声は一度ならず聞いたことがあるはず。その膨大なキャリアのほんの一隅を取り上げ、林原さんのキャリアを振り返る。

 

『魔神英雄伝ワタル』ヒミコの快活でキュートなキャラ


 1986年に声優・デビューした林原めぐみさん。『新世紀エヴァンゲリオン』(95年)綾波レイ、『名探偵コナン』(99年)灰原哀、『らんま1/2』(89年)早乙女らんま…そのキャリアの中であなたが初めて林原さんを知ったキャラクターは何だろうか。「子どもの頃にそのキャラの声を聞いてはいたけど、林原さんが演じていたことを知らなかった…」。これは70年代生まれ以降の方々にはとくに聞いてみたい質問だ。
 筆者の場合は『魔神英雄伝ワタル』(88年)のヒミコ役がそれ。大きなリボンに緑の髪の忍者娘で、天真爛漫なヒロインは林原さんの初期の仕事にして、シリーズを重ねた作品の一つ。頭身の少ないロボットや、敵味方含めてユーモラスな展開と、ヒミコの力技な忍術は、見ているだけで元気になるものがあった。

 

『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の神回!


 91年に放送されたアニメ『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて』の林原さん演じる主人公・モモ役も印象深い。82年放送のシリーズ1作目『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の2作目で、この1作目の2作目ではモモが別人物なのである。
この『夢を抱きしめて』のモモの素晴らしさはそのコメディエンヌぶり。それを生っぽい等身大の女の子として林原さんが演じているのである。印象深いのは、第39話の「モモとモモ」。1作目のモモの生まれ変わりで、ピンク色の髪の少女を小山茉美さんが演じ、本作の林原さん演じるモモと出会うストーリーなのだ。小山さんは、1作目でモモ役を演じた声優で、いわばそのオマージュ回でもあった。
 この作品で小山さん演じるモモは、初代のオープニング曲を劇中で口ずさみ、これまた感動的なのだが、それに対しての「林原さんモモ」も素晴らしい。煙突掃除をするモモ(小山さん)を見つめる、モモ(林原さん)。林原さん演じるモモが、小山さん演じるモモにこう呟く。「私は何も声がかけられませんでした。今のモモちゃんは魔法を信じていないというより、モモちゃんの夢に、魔法なんか要らない気がしたんです。…でも、私は魔法の国のミンキーモモです!」と。自分自身の「魔法」という能力の不要性を認めながら、それでも自分は「魔法」を行使して、人間たちに夢を取り戻そうとするモモ。モモってなんて大人なんだろう…今見てもそう思うこと間違いない神回だったのだ。

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