■もはや人間にしか見えない…「Tシャツくん」と「アンモナイトくん」

 1991年9月30日に放送された「Tシャツくんとアンパンマン体操」に登場する「Tシャツくん」は、体操を教えてくれるキャラクターだ。

 配達員という仕事をこなしながら、疲れると体操を始めるというストイックな「Tシャツくん」。ツノのように尖った髪型で白いTシャツを着こなす爽やかな彼は、みんなの人気者だという。「体操のお兄さん」のような風貌をしていてまさに人間のようなのだが、彼もまた妖精なのである。

 同じく人間に見えるキャラクターが、「アンモナイトくん」。1995年7月3日に放送された「アンパンマンとアンモナイトくん」に登場した。

 いつも化石を探している彼は、化石を掘る楽しさを教えてくれ、ときどき“宝探しの冒険”に出かけるというフットワークの軽い少年だ。ちなみに「アンモナイトくん」のヘルメットはドリルのように使うことができ、アンパンマンを連れて窮地を脱したこともある便利なアイテムとなっている。

■飛行機や潜水艦も!「つばさくん」と「チビマリン」

 本作には「SLマン」のように、乗り物自体がキャラクターになることもある。

 1992年1月27日に放送された「アンパンマンとおんぼろヒコーキ」に登場する「つばさくん」は、長いあいだ砂に埋もれてしまっていた“オンボロ”の飛行機だ。彼が砂に埋もれているあいだに時代は進んでしまっていたのだが、古き良き時代を知る「つばさくん」は歴史の伝道師として活躍するという新たな役割を見つけていた。

 また、1994年8月8日に放送された「青い海をすくえ!チビマリンの大冒険」に登場したのが、海を案内してくれる潜水艦「チビマリン」だ。“チビ”と銘打ってはいるが、もともとが潜水艦なのでそれほど小さくはない。雷に撃たれて動けなくなっていたところアンパンマンたちに救われ、以降は子どもたちとも仲良くなっているようだ。

 

 多彩なキャラクターが登場する『それいけ!アンパンマン』は、個性に応じた能力をもっていたり、建造物や乗り物がキャラクターとして活躍したりと子どもたちを楽しませている。

 2018年に発売された『アンパンマン大図鑑プラス 公式キャラクターブック』(フレーベル館)には、なんと2300体以上のキャラクターが掲載されていたが、これからもその数は増え続けていくだろう。

 節目の年を迎える本作。これからも魅力的なキャラクターたちが登場しては、ファンを楽しませてくれることにおおいに期待したい。

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