■世界中で大ヒットとなった“バンゲリング帝国三部作”の一つ『ロードランナー』

 ダグラス・E・スミスによって考案され、1983年にコンピューターゲームとして発売された『ロードランナー』は、そのシンプルかつ奥深いゲーム性が世界中で高い人気を博し、日本ではのちにハドソンからファミコンソフトに移植された。

 本作は『チョップリフター』、『バンゲリング ベイ』といった“バンゲリング帝国三部作”と呼ばれる作品群の一つで、プレイヤーは主人公を操作し、襲い掛かってくる番兵から逃げながら、ステージにある金塊を手に入れゴールを目指す。

 ステージは足場となるブロックと上下を移動するためのはしご、そして襲い掛かってくる番兵といったシンプルな要素で構成されている。

 本作の特徴的なアクションといえば、地面にあるブロックを“掘る”ことで穴をあけられるというもの。これを駆使することで下の階層へと移動したり、襲ってくる番兵を食い止めたりもできる。また、掘った地面は一定時間後に復元されるため、これを活用して敵を倒したり、穴に埋めた相手を“足場”として利用できたりもする。

 なかなか特徴的なアクション性だが、“自身の立っている隣の位置を掘る”、“一定時間で地面が復元する”といった要素の数々が絶妙に絡み合い、奥深いパズル性を生み出している。 やみくもに掘り進めばいいというわけではなく、辿り着きたい位置から掘り始める場所を逆算しないと、行き詰まってしまうことも少なくはない。

 ステージ数は150となかなかのボリューム。本作はオリジナルのステージを自作する機能も用意されており、パズルを解くだけでなく、クリエイティブな遊び方もできるようになっている。

 単純な要素のみで構成されているにも関わらず、奥深いゲーム性を実現しているのは、まさにアイデアの勝利といったところだろうか。ついやり続けてしまう手軽な爽快感がくせになる、名作パズルアクションだ。

 

 魔法で生み出したブロックを使って、L字ブロックを持ち上げて、地面を掘り進んで……一口に“パズルアクション”といっても、ギミックの内容や操作性は実にさまざまだ。高難易度でありながらも奥深いパズルの数々に、当時の子どもたちは心を折られつつ、それでものめり込んでいったのだろう。

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