謎解きの奥深さと、軽快なアクションの組み合わせが売りの“アクションパズルゲーム”。ファミコン全盛期の時代にも数多くのアクションパズルが登場したが、なかには骨太すぎて、当時の子どもたちをおおいに悩ませた高難度のゲームも存在していた。難しさに多くの子どもたちがのめり込んだ、名作アクションパズルゲームについて見ていこう。
■ファンタジーの世界観で繰り広げられる骨太パズルゲーム!『ソロモンの鍵』
1986年に発売された『ソロモンの鍵』(テクモ(現:コーエーテクモゲームス))は、ファミコンを代表するアクションパズルゲームとして非常に知名度が高い名作の一つだ。
操作は移動、しゃがみ、ジャンプといったシンプルなものに加え、「換石の術」と呼ばれる能力を駆使してブロックを出現、消滅させることができる。これらのブロックを使って相手の進行を妨害、攻撃を防ぐなど数々のギミックを乗り越え、鍵を手に入れながらステージごとのゴールを目指すこととなる。
全50ステージというボリュームもさることながら、バリエーション豊かなステージはどれもこれも高難易度で、アクションのみならず“知恵”を駆使しなければクリアすることは難しい。さらに、ダメージを受けると一撃でミス扱いとなり、時間制限も存在するなど、なかなかにシビアな立ち回りを要求される。
難易度は高いものの、序盤はいわゆる“チュートリアル”のようになっており、プレイしながら操作方法を覚えることができたり、アイテムを使うことである程度ステージをスキップできたりと、基本設計は非常に親切だ。
また、ステージのクリア方法もワンパターンのみに限定されておらず、敵を蹴散らしゴールするのか、はたまたテクニックを駆使して無効化してしまうのか……といった、人によって異なったアプローチでクリアを目指すことができる自由度も、プレイヤーたちを惹きつけた理由だろう。
グラフィックや操作性、良好なBGMと、ゲームとしてのクオリティの高さを随所に感じ取れる、名作パズルアクションだ。
■シンプル極まりない操作性ゆえの奥深さ…『バベルの塔』
1986年に発売された『バベルの塔』(ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント))は、考古学者かつ冒険家の主人公・インディーを操作し、タイトルにもなっている“バベルの塔”の頂上にあるといわれる伝説の空中庭園を目指す、アクションパズルゲームだ。
インディーを操作する……とはいったものの、プレイヤーにできることは移動と目の前の“ブロック”を持ち上げる、もしくは下ろすことのみと、とにかくシンプル。ブロックはすべて“L字”の形をしており、これをうまく使うことで階段を作り上げ、上へ移動することでゴールを目指していく。
制限時間といった概念はないものの、一方でインディーがブロックを持つことができる回数が決まっており、最適な回数でいかにブロックを動かすのか、あるいは動かさないのか……また、ステージによっては登場する敵キャラクターにどう対応するかといった点にも、プレイヤーは悩まされることとなる。
加えてステージは総合計で128という特大ボリューム。いわゆる“表”と言われる64面をクリアすることで、高難易度の“裏”ステージに挑戦することができるようになり、ゲームとしてのやり込み要素も満載だ。
操作性がシンプルであるがゆえに、“ブロック”の使い方がすべてを左右するという、非常に奥深い内容となっている。アクションは苦手だが頭を使うことが好き……というプレイヤーにはこの操作性がうけ、多くのファンを獲得した。
本作もライフという概念はなく、ブロックの使用回数を使い果たしたり、敵にぶつかったり、ブロックに潰されたら、基本的には即死。ゴールまで辿り着くためには、慎重さと、ときには直感的な操作が試される。
その究極のシンプルさゆえに、パズルアクションのなかでも唯一無二の作品性を獲得した一作だ。