1980年代はロボットアニメの全盛期。メディアミックス作品として生まれた『機動警察パトレイバー』、スーパーデフォルメのロボがかわいかった『魔神英雄伝ワタル』、高橋良輔監督によるハードボイルドな世界観を描いた『装甲騎兵ボトムズ』など、多様性のあるざまざまなロボットアニメが生まれた時代だった。
その中でもオモチャとしての人気も集め、多くの視聴者の目をひきつけたのが「変形ロボ」の数々。『銀河旋風ブライガー』の「ブライガー」、『戦闘メカ ザブングル』の「ザブングル」、そして『ガンダム』シリーズでも1985年から『機動戦士Zガンダム』が放送された時代で、変形ロボットアニメの全盛期だった。
■大量の変形ロボットがひしめく『トランスフォーマー』
現代でロボットが変形するアニメといえば、多くの人が連想するのは『トランスフォーマー』シリーズではないだろうか。ロボットたちが戦車や乗用車などざまざまな乗り物に、そして時には動物にも変形する人気シリーズだ。
アニメや映画、オモチャが今でも作り続けられていて、最近では2007年から続く映画の最新作『トランスフォーマー ビースト覚醒』(2023年夏)の公開が待たれている。同シリーズは日本での人気も上々で、新規層開拓に成功して以降は洋画の定番となっている。
そんな『トランスフォーマー』シリーズだが、80年代に幼少期を過ごした人にとっては、日本では1985年に放送されたアニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』の印象が大きいはず。
変形自体は人型ロボットが戦闘機などに変形するというオーソドックスなものだが、とにかくキャラクター数が凄かった。コンボイにメガトロンなど、『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』の作中だけでも100機以上のトランスフォーマーが登場するのだ。
こういった膨大な数の変形ロボットが登場する作品は、現在においても数は多くない。
■ライター+金属の光沢+重厚感『ゴールドライタン』
前述のトランスフォーマーに先んじて、多数のロボット生命体の関係性を取り扱ったアニメがある。それが1981年から1982年にかけて放送された『ゴールドライタン』だ。
『トランスフォーマー』シリーズのような膨大なキャラクター数ではないが、人間と同じように自律した意志を持つロボットが登場し、かつメインキャラクターそれぞれにスポットライトを当てるストーリーは、やはり当時では珍しく“先駆け”的な作品だと言える。
また『ゴールドライタン』のユニークなところは、登場するロボットが金属感の強いライターに変形するという点。カラーはいずれもゴールドかシルバーで、金属の重厚感のある作りとなっていた。またクリスタルカット柄の彫刻も相まって、かなりゴージャスな雰囲気だった。
どのロボットもライターと金属という極端なコンセプトではあるが、その雰囲気は今となってもオンリーワン。ロボットファンはもちろん、レトロマニアの間で今も愛されている変形ロボットだ。