■戦闘機と人型の中間が格好良い『マクロス』シリーズ「バルキリー」
現在もシリーズが続く、『超時空要塞マクロス』も1982年から1983年という80年代に放送された作品。従来のロボットアニメものと一線を画したコンセプトで、アイドル要素や歌、三角関係の恋愛要素といった、ロボットアニメとしては異質な要素を前面に出した野心作だった。
そんな『マクロス』シリーズに登場するのが、三段変形が可能なロボット「バルキリー」だ。
3つの中でも「ガウォーク形態」という、戦闘機と人型の中間の形態はオンリーワンで、『マクロス』シリーズの代名詞となっている。また「バルキリー」の他にも、巨大な宇宙戦艦が人型に変形するという試みも『超時空要塞マクロス』が初であり、衝撃的な要素だった。
『マクロス』シリーズでは、ほぼ全ての作品の世界が地続きとなっているのも特徴。過去キャラの登場シーンも頻繁にあり、シリーズを経るごとに厚みが増していく作品である。
それは「バルキリー」においても例外ではない。初代『超時空要塞マクロス』に登場したアーマードパックが、アップデートを重ねて以降の作品にも使用されている。また『マクロス7』で初登場した「VF-19 エクスカリバー」はさまざまなバリエーションによって多くの作品に登場することとなった。こういったバルキリー発展の系譜を感じられるのも『マクロス』シリーズの醍醐味である。
1980年代ロボットアニメでは、変形要素がメインとなるロボットアニメ以外にも、「ビルバイン」や「エルガイムMk-II」といった変形機構を搭載した名機が多く生まれている。変形要素は1980年代ロボットアニメ全体を象徴する要素なのだ。