■“ユーラシア大陸統一”って気が遠くなる… 『蒼き狼と白き牝鹿』シリーズ

 次はモンゴルの英雄・テムジンを主人公にした『蒼き狼と白き牝鹿』シリーズだ。一時期『信長の野望』や『三國志』と並んで、「光栄歴史三部作」とも言われていたな。

 シリーズごとに違いがあるものの、モンゴル国内の統一とその勢力を持ってユーラシア大陸全土に進出するのが面白い。ちなみにテムジンの呼称は、作品によって「ジンギスカン」「チンギス・ハーン」と異なっている。

 文化の違いもあれば、武器も違う。日本も鎌倉幕府の時代となり、シリーズでは源頼朝や執権の北条氏が活躍するシナリオがあり、源実朝で進行できる作品も確かあったほど。

 そういえば『蒼き狼と白き牝鹿4』のパワーアップキットには、室町時代に突入してティムール帝国が登場している。ティムールと戦うとは……世界史好きにはたまらない。

 このゲームのシリーズに共通するのが「オルド」だ。裏切りやすい将軍たちばかりなので、国を支配下に置くには血筋を残さなければならない。ユーラシア大陸を統一していくため、気が遠くなるほどのとてつもない広大な領土となり、血縁武将もたくさん必要となる。

 そのため、敵国の妃を振り向かせて夜をともにし、後継者を生んでもらう必要があった(女性にとっては迷惑な話かもしれないが……)。ゲームでは、オルドでなんとか妃を落とそうとプレゼントや甘い言葉をかける駆け引きがあるのだが、そこは強引にいかないところがジェントルマンなのである(なんのこっちゃ)。

 このゲームはとても良くできたシステムなのだが、そこまで世界中でヒットはしなかったらしい。モンゴル帝国に侵略された各国の評判が、イマイチだったのかもしれないな……。今、発売しても十分面白いのだが、1998年のシリーズ4作目が最後となっている。シリーズ5作目の登場が待ち遠しい。

■戦略性がとても重要なカギとなった『提督の決断』シリーズ

 最後は、第二次世界大戦(おもに太平洋戦争)の海戦を舞台にした『提督の決断』シリーズだ。

 非常に面白い戦略ゲームで、初代から楽しめる。PS2で発売されたシリーズ4作目に至っては、リアルタイムな海上戦が好きな人にはたまらなかっただろう。

 とにかく開発と戦略、資源の確保にはスピードが大事であり、そのためにも海軍は重要な存在なのだが、会議でやたら陸軍が反対するのにイラっとしたな。

 歴史上の人物が多数登場し、山本五十六や東条英機、南雲忠一など、書物でしかお目にかかれない人たちの熱いドラマが垣間見れる。

 ただ、帝国海軍のストーリーだったので、もしかしたら快く思わない人たちもいたかもしれない。今の時代ではさまざまなウォーゲームが登場しているので発売されても問題ないのだろうが……いつかまた、シリーズの最新作を見てみたいな。

 筆者はというと、やはり『提督の決断4』が最高に面白かった。日米の戦いにドイツと大英帝国が加わり、同盟関係が大事になる。さらにスタートから設定が変更できるので、日米同盟を結んでドイツとイギリス連合軍を組むことも可能で、ドイツとアメリカが同盟するというオリジナルのバトルを楽しんだりもしていたな。

 

 さて、光栄のゲームは奥深くて面白さに溢れている。これら以外にも『大航海時代』や『無双』もシリーズがあるし、伝統の『麻雀大会』や『ウイニングポスト』シリーズにもハマったものだ。ただ、ここで紹介した歴史シリーズは継続してほしいと切に思う!

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