■現在地確認以上の機能をもった世界地図

 RPGでは少しプレイしない期間を空けると、次にどこへ行ったらいいのか、今どこにいるのかも分からなくなってしまうことがある。ファミコンやスーファミ時代のゲームでは、そんなときに「世界地図」を開いたとしても。ドット絵の大雑把なマップから現在地を探すのは大変だった。

 そんな中、最近のゲームでは、世界地図が多機能になって使い易くなったと感じる人は多いのではないだろうか。当時の世界地図が紙の地図だとすれば、今の世界地図はスマートフォンのナビゲーションアプリである。

 昨今のRPGの世界地図には、町の名前が表示されていて、そこにカーソルを合わせることで町の施設や、主要なNPCまでが表示されるようになっている。また地図から直接、その町にファストトラベル、つまりワープできるような機能が備わっている作品もある。クエストの、次に会うべき人物が表示されていたりもする。

 久しぶりにゲームを起動して、サブクエストをどこまで進めているか分からなくなったり、「これが出来るNPGはどこだっけ」と町をしらみつぶしに巡ることは無い。いつゲームを再開しても、すぐに次に行くべきポイントが分かる。

 これに関しては便利ではあるが、探索する、また、探索し直す楽しみは少し失われたのかもしれない。とはいえ時間の無い現代人には非常に助かる、無くてはならない機能である。

 他にもゲーム速度を倍速にする機能や、オート戦闘機能がある作品もあった。便利になるほど、時間の節約になり、ストレスからも解放されるのを感じた。とはいえ、手間暇をかけて冒険ロールプレイをしている感は、便利になるほど薄れていくのかとも思う。どこまでゲームを便利にするかが、ゲーム性の肝になる。そういった時代が来たのかもしれない。

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