1983年7月に任天堂からファミリーコンピュータが発売され、今年で誕生40周年を迎える。近年は最新機種やPC向けの配信によって過去の名作を気軽にプレイできるようになったが、何十年も昔のタイトルに触れてみると、懐かしい気持ちになる一方で、「不便だった」あれこれを思い出すことは少なくない。
たとえば初期『ドラクエ』に代表される「ふっかつのじゅもん」のように、セーブ機能が設けられておらず与えられたパスワードを自分でメモしないといけなかったり、『ポケットモンスター赤・緑』時代にはアイテムのショートカット機能がなく、「じてんしゃ」や「つりざお」を取り出すのにもいちいち「リュック」を開かないといけなかった。
もちろんそうした箇所は当たり前。当時は不便とも思っていなかったことばかりだが、最新のRPGをプレイして「便利な時代になったな~」と感動してしまうことはないだろうか。
■魔法や特殊コマンドの効果を表示してくれる
最近のRPGでは「魔法」や「特技」などを選択する際、コマンドにカーソルを当てるだけで、説明がパッと表示されるようになっている。どんな効果があるのか、どんな属性なのか、単体か全体か、威力の目安などまで分かりやすく解説されていることもある。新しく覚えた魔法だけでなく、使用頻度の低い「これ、どんなのだったっけ?」といったスキルも、いちいち試す必要がなくなったのだ。
当時のRPGではそういった解説機能はもちろんなく、説明書にもスキルの全容が書かれていないものが多かった。名前のイメージから大体の効果を想像して、覚えたらとりあえず使ってみるというのが基本的なプレイスタイルで、その結果なぜか味方が不利になることもあった……。
そうした、何となくの感覚で使っていた魔法やスキルがリメイク作品で詳しく解説され、実はこんな効果だったから強かったのか! と、理由を含めて納得できたりしたりといったパターンもあるだろう。こうした解説機能は便利さだけではなく、その世界観の解像度をグッと濃くもしてくれている。
ただ『ファイナルファンタジー4』における「デジョン」が、戦闘時使用での即死魔法ではなく、ダンジョンの脱出に使えるといったものや、『ファイナルファンタジー6』のガウの「あばれる」のように、思わぬ技が、ラスボスを含めてほぼ完封できる技だったなど、親切な解説によってサプライズ的な要素は薄くなったのかもしれない。
また魔法やスキルに限らず、今はゲームのマニュアル自体が、ゲーム内に作られているのが一般的となった。中古ゲーム店で買った、説明書がついていないソフトを、ああでもない、こうでもないと、いろいろと試しながら操作したのも、多くの人にとっては楽しい思い出ではないだろうか。
■よりゲームの世界に没入できるようになったオートセーブ機能
オートセーブ機能も凄い。自分でセーブコマンドを使ってセーブする必要が無く、要所要所で勝手にセーブされるのだ。
ここのイベントは長そうだ。ボス前だからセーブしておこう。といった「どこでセーブするか」を常に考えさせられることが無い。そういった、メタ的なことに意識を使う必要が無いので、よりゲームの世界に没入しやすくなった。RPGにおいて画期的に進化した要素ではないだろうか。
また急にバグってしまい、それまでのプレイがパーになったり、セーブをし忘れて全滅して思ったより前のデータからやり直しになってしまう、といった悲しいことも起こらない。
オートセーブ機能はON、OFFを切り替えられるので、重要な選択肢等で取り返しがつかなそうだと思った場合はOFFにすればよい。しかし、あえてそういった場面でもオートセーブをONにしたままやってみるのも面白い。オートセーブが常にONだということは、リセットできないのと同義である。リセットできないリアルな冒険を体験できるのだ。