■学園七不思議殺人事件

 学園七不思議殺人事件は、金田一や美雪が通う不動高校で起こった事件だ。旧校舎の取り壊しを中止するよう脅迫状が送られるようになったころ、ミステリー研究会の会長である桜樹から「学校の七不思議」の謎を解決するため、金田一が入部勧誘を受けたことから、殺人事件に巻き込まれてしまう。

 美雪が危険な目に遭うことになったのは、たまたま犯人にとって都合の悪いものを見てしまいそうになったからだ。旧校舎に張られたポスターを剥がそうとしたところを犯人に見つかり、頭部を殴られて気を失ってしまう。七不思議の一つである「血に染まる井戸」に見立てられそうになるが、犯人が井戸の底に美雪を落とせない理由があったことや突発的な犯行だったことで犯人が美雪の生死を確認する余裕がなかったため、奇跡的に生還。

 明確に美雪を殺害する意思をもった犯人に襲われたのは、この事件のみとなっている(犯人以外の人物に、狙われて殺されかけたのは異人館村殺人事件のみ)。殺そうと思っても殺せない美雪のヒロインとしての生命力の強さが感じられるだろう。

■悲恋湖伝説殺人事件

 悲恋湖伝説殺人事件は、美雪の従兄に頼まれた金田一と美雪が、リゾート地の会員権を賭けたモニターツアーに参加したことで、殺人事件に巻き込まれてしまう。この事件は映画の「ジェイソン」を彷彿とさせる犯行により、多くのファンのトラウマになったといわれている。

 美雪が危険な目に遭ったのは、犯人が森に仕掛けた罠にかかってしまったため。ボーガンの矢が太ももに刺さり、大怪我を負ってしまう。さらに、傷口が化膿したことで、発熱や悪寒といった症状につながり、命の危機にさらされた。

 もともと、ターゲットが逃げ出さないようにという目的で設置された罠で、美雪がかかることは想定していなかったうえ、犯人はとある理由から、本気で負傷した美雪のことを心配していた。

 この事件では、金田一と美雪の恋愛模様が、犯人やほかの参加者などのキャラクターを通して深く描かれている。そのため、ヒロインらしい美雪の言動にも注目してほしいエピソードだ。

 今回は、美雪が危険な目に遭った事件を3つ振り返った。一般人が美雪と同様の経験をしたら相当深いトラウマになりかねないと思うのだが、美雪はさすがのヒロイン力で乗り越えている。金田一が事件に向き合う原動力にもなっている美雪には、身体を大切にしながら、これからも金田一についていってもらいたいところだ。

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