『舛添要一 朝までファミコン』や『ラサール石井のチャイルズクエスト』も…意欲作多し!“有名人を題材にしたマニアックなファミコン作品”3選の画像
ファミコン用ソフト『ラサール石井のチャイルズクエスト』

 ゲームブームの火付け役として、数多くの名作を世に放ったファミリーコンピュータ(通称・ファミコン)だが、なかには“有名人”を題材にしたマニアックな作品があったことをご存じだろうか。

 当時においても非常に異色だった、芸能人とコラボしたファミコン作品について紹介していこう。

■アドベンチャーゲームにあの“元東京都知事”が参戦!?『舛添要一 朝までファミコン』

 有名人がコラボしたゲーム……というと、芸能人やスポーツ選手を思い浮かべる方も少なくはないかもしれない。しかしなかには、のちの政界の大物となる人物が登場する思わぬ一作があったりする。

 1992年にココナッツジャパンから発売された『舛添要一 朝までファミコン』は、当時まだ政治家ではなかった舛添要一が監修する、ビジネスマンを主人公としたアドベンチャーゲームだ。会社の大プロジェクトを成功させるため、奔走する主人公を操作していくこととなる。

 ゲームは全体で4章構成となっており、ビジネスマンとして実践活用できる“クイズ”に答え、高得点を取ることでゲームをクリアすることができる。

 登場キャラクターも非常に多く、シナリオもしっかりしており、まさに本格的な“ビジネスマンライフ”を追体験できる一作だ。加えて、監修した舛添要一自身も作中に登場し、クイズの点数に対しての評価を行ってくれるなど、しっかりとコラボ出演も果たしている。

 作品の出来自体は評価が高く、やはりキャラクターの多様さや当時なかなか存在しなかった“ビジネスマン”をテーマにしたというオリジナリティが人々の目を惹いた。

 一方、内容が非常に現実的なこともあり、ゲームの世界でも仕事、上司、会社といったものに触れなければいけない……という点に、少なからず辟易したプレイヤーも多いようだ。

 のちに舛添要一が東京都知事となったことで、メディアでこの作品が取り上げられたり、ソフトがオークションで高額取引されるなど、舛添氏とともに思わぬ躍進を遂げた一作である。

■倒すのではなくとにかく売れろ…お笑い流RPG!?『ラサール石井のチャイルズクエスト』

 ゲームといえばやはり広大な世界を冒険する“RPG”も、ジャンルとして根強い人気を誇るが、このRPGをベースに有名人がコラボした作品も存在する。

 1989年にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売された『ラサール石井のチャイルズクエスト』は、ラサール石井がプロデュースするお笑いアイドルグループ「チャイルズ」を主人公に、彼女らが売れるようになるため、プレイヤーは「選ばれしマネージャー」となって日本全国を巡っていくこととなる。

 RPGというジャンルではあるものの、本作の特徴はバトル、魔法といったお決まりの概念を、“お笑い要素”にアレンジしているという点。

 たとえば、RPGでお決まりの“戦闘”は相手に自分を売り込む“営業”となっており、誰かを倒すのではなく、知名度を上げるためのイベントとなっている。

 そのうえでゲームのなかに「フマンド(不満度)」や「にょうい(尿意)」といったまさかのステータスが設定されており、これらをうまく解消しながら“営業”して知名度を上げ、コンサートでその実力を発揮する……といった、本作独自の概念やシステムがこれでもかと盛り込まれている。

 加えていわゆる“パロディ”も非常に多く、テレビ番組のキャラクターや人気商品をモチーフにしたアイテムなどが登場するのも特徴の一つだ。

 当時、RPGといえば広大な世界を剣と魔法で冒険するファンタジーテイストなものが主流だったが、そのなかでも本作は異色の一作とされ、そのアレンジの珍しさから高い評価を受けてもいた。

 良くも悪くも、この“お笑い流RPG”を受け入れられるかどうかで、評価が大きく分かれる作品だろう。

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