■怖いだけじゃない愛され異形頭キャラたち
また少女漫画にも異形頭のキャラクターが登場する。
1996年から2005年まで『りぼん』(集英社)で連載されていた森ゆきえ氏による『めだかの学校』に登場する教師の田中先生の頭はメダカだ。同作は4コマギャグ漫画なので、終始主人公がツッコミをいれるスタイルで田中先生の奇行の数々が描かれる。ここまでに紹介した作品が全て2000年以降のものであることを考えると、同作はかなり早い段階で異形頭を描いた漫画作品だといえるだろう。
なお漫画でもアニメでもないが、日本でもっとも知名度の高い異形頭のキャラクターはおそらく、映画の直前に上映されているCMの『NO MORE 映画泥棒』だろう。
同シリーズは2007年から現在まで公開されており、映画の盗撮防止や違法ダウンロード禁止を啓発している。カメラ男とパトランプ男のスタイリッシュな外見やパントマイムに加え、最近ではアクションシーンも描かれる同シリーズ。言葉はないながらも、動きだけで2人の感情がひしひしと伝わってくるのがすごいところだ。
表情が乏しいだけに、一見何を考えているのかが読みづらい異形頭キャラだが、彼らの人気の理由はそのミステリアスさに加えて、さまざまな想像を掻き立てるところかもしれない。意外に万人ウケする彼らをこれからも応援したい。