■ドSなイケメン俳優にキュンキュンする『恋はつづくよどこまでも』

 ドSな佐藤健に多くの女性が夢中になったテレビドラマ『恋はつづくよどこまでも』も、少女漫画が原作だ。『プチコミック』(小学館)で円城寺マキ氏により2016年から連載された本作は、運命的な出会いを果たした医師と再会するため看護師になった主人公・佐倉七瀬のドタバタな恋を描いた作品だ。

 七瀬役には癒やし系で笑顔が魅力的な上白石萌音が起用され、七瀬が恋に落ちる“ドS”な医者・天堂浬役は人気俳優の佐藤健が演じている。穏やかで優しい印象がある佐藤の、“ドS”な演技に「キュンキュンする」と夢中になる女性も多く、毎回放送が終わるたび、SNSでは感想を語る投稿が殺到した。

 “魔王”と呼ばれ恐れられていた天堂が七瀬と恋に落ちる過程や、恋人同士になってからも一途に彼女を思う様子に、思わず上白石を「うらやましい」と思ってしまったのは筆者だけではないだろう。それほど、トキメキが詰まった作品だったと思う。

■爽やかなキャストの青春ストーリー『ちはやふる』

 “競技かるた”というマイナーなスポーツを一躍有名にしたのが、末次由紀氏による『ちはやふる』だ。

 原作は少女漫画ではあるが、その熱い物語に「熱血スポーツ漫画」という声もあがっている本作。その一方で、少女漫画らしい繊細な心理描写や恋愛描写が描かれたことも人気を博した要因だろう。

 2016年に実写映画化された『ちはやふる』は、二部作という豪華な仕様になっていた。主人公には人気女優の広瀬すずが起用され、広瀬が演じる綾瀬千早に想いをよせる真島 太一と綿谷新役には、それぞれ野村周平新田真剣佑が起用された。

 勢いのある若手俳優をメインキャストに起用したこの実写映画は、“競技かるた”のかっこよさを存分に味わえるものとなっていた。競技人口の拡大に大きく貢献したといわれ、現在においても本作のタイトルになぞった大会が開催されるなど、社会的にも大きな影響を与えた作品だといえるだろう。

■キャストの“怪演”が人気に…!?『のだめカンタービレ』

 “クラシック音楽”をテーマにしながら、コメディー要素も人気だった二ノ宮知子氏の『のだめカンタービレ』は、2001年から『Kiss』(講談社)で連載された少女漫画だ。

 2006年にテレビドラマ化された本作は、“変態”だが天才的な腕を持つピアニスト・野田恵役に上野樹里が起用され、のだめの奇想天外な行動を見事に演じていた。

 さらに幼少期のトラウマから海外留学ができないエリート音大生・千秋真一役には玉木宏が。イケメンのイメージが強い玉木の“殻を破った演技”は、本作の見どころのひとつといえるだろう。

 テレビドラマの放送終了後も特別編の放送や、完結編となる実写映画が二部作で公開されるなど幅広い展開が楽しめる作品となった。

 

 少女漫画を原作にした実写作品の名作たちは、恋愛要素からスポーツ、コメディーとさまざまなジャンルを楽しめる作品ばかりだ。人気俳優を起用した再現度の高い実写化は、まるで作品から登場人物たちが飛び出してきたようで、原作のファンたちも納得の仕上がりになっているのではないだろうか。

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