■気分はまるでゲーセンにいるかのよう…重厚な「アスキースティック」

 重厚なデザイン性でゲームセンターのスティックとボタンを配したのが、1985年にアスキーから発売された「アスキースティック」だ。ゲーセン仕様なので、連射機能などが付いていなくても問題ない。

 筆者はファミコンで遊んでいた当時、連射機能を邪道としていた。ボタンを連打し、ときに擦り付け、高得点を目指すのが王道だったのだ。それをファミコンのコントローラーでやると機器が劣化していくのだが、このアスキースティックは耐久性が抜群だった。

 ただ、価格がネックでファミコンソフトよりも高かったため、光栄のゲームソフトかっ!と、ツッコミたくなったものだ。アーケードゲームが大好きな筆者の兄がバイトして購入し、それで遊ばせてもらっていたな。

 懐かしくてうろ覚えだが、とてつもなく重かった記憶がある。ちなみに、筆者のクラスメイトのなかで購入している強者は誰一人としていなかった……。

■コントローラーの老舗が送り出した扇形の名作「ホリコマンダー」

 1987年に発売された「ホリコマンダー」。この飛び抜けたネーミングセンスが素晴らしいではないか。当時“コマンダー”といえば、アーノルド・シュワルツェネッガーの映画『コマンドー』だったが、コントローラーにこの“コマンダー”と名付けるのがなんとも秀逸だった。

 先にも書いたように筆者は連射機能を邪道としていたのだが、唯一このホリコマンダーだけは別物だった。『Switch』や『プレイステーション』など、令和の現代でもコントローラーやヘッドセットなどの周辺機器を手掛けている「ホリ電機(現:株式会社ホリ)」だけに、このメーカーの作品にお世話となったゲーマーは多いだろう。

 まず、通常のコントローラーと同じボタン配置で十字キーも備えており、持ち方が同じなので違和感なく操作できるのが良かった。さらに形状は上部が扇形となっており、長方形のファミコンコントローラーと違って持ちやすく、しかも、この扇形には凹みがあるのでちょうど人差し指がフィットしやすいのだ。考えた人は天才か!

 今のコントローラーは角張っていることもなく、RボタンやLボタンが押しやすいように滑らかになっているものだ。それをファミコン時代に取り入れているのだから、“先見の明”があったといえよう。

 そして、なんといっても三段階に調節可能な連射機能……。さすがにこのコントローラーはお気に入りだったので、筆者も解禁して使わせてもらったな。正直なところ高得点が出たものだ。

 

 さて、ここで紹介したコントローラー以外にも、ファミコン時代はさまざまなコントローラーやジョイスティックが登場している。当時を知る人にとっては懐かしいラインナップだろうが、また機会があればほかの周辺機器も紹介していこうと思う。

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