『金田一少年の事件簿』「やはり暴力…!!」「やることが多い…」の元ネタは? 名言がネットミーム化した犯人たちが行った凄惨すぎる事件の画像
講談社コミックス『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』第1巻(講談社)
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 さまざまなシリーズが連載されているミステリー漫画『金田一少年の事件簿』。1992年から『週刊少年マガジン』で連載を開始した同作は、名探偵・金田一耕助を祖父に持つ天才高校生・金田一一が、類まれなる推理力で事件を解決していくという物語で、堂本剛から道枝駿佑までさまざまな俳優によってテレビドラマも放送され人気を博してきた。

 事件に張り巡らされた巧妙なトリックをいかに解き明かしていくかが同作の魅力で、蓋を開けてみると事件の中心にいた真犯人の背景に思わず共感してしまうようなエピソードも珍しくなかったりする。2017年には、そんな「犯人」たちに視点を置いた船津紳平氏によるスピンオフ『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』の連載が開始。残忍な犯罪性と複雑なトリックという『金田一少年』の犯人たちが、事件の裏でいったい何を考えていたのかがギャグテイストで描かれ、一部セリフがネットミーム化するほどの人気となったが、実際に本編で彼らがどのようなキャラだったのか知らない読者も多いのではないだろうか。

 そこで、今回は『犯人たちの事件簿』においてネットミーム化した名言と、その犯人たちが本編でどのような事件を起こしたのかについて改めて振り返りたい。

■「やることが…やることが多い…!!!」

 このセリフは「オペラ座館殺人事件」の犯人である有森裕二の心の声だ。このときの有森は、唯一の脱出手段であったクルーザーをつなぎ留めていたロープを切断し、第一の殺人におけるトリックを実行したため、非常に多忙。そのときに心の中で呟いた言葉こそ「やることが…やることが多い…!!」というものだった。

 犯人視点で見ると、たしかに「やることが多い」。人を殺しているのにも関わらず、必死にトリックを完遂しようと走り回る有森の姿があまりにコミカルで、思わず笑ってしまうだろう。 

 そんなオペラ座館殺人事件が『金田一少年の事件簿』本編ではどのような事件だったのかというと、歌島という孤島にある「オペラ座館」で起きた連続殺人事件だ。

 美雪に頼まれ、演劇部の合宿の手伝いをすることになった金田一がオペラ座館を訪れるのだが、次々と殺人事件が発生してしまう……。その殺害方法が「オペラ座の怪人」の内容と酷使していたことから、読者の恐怖を誘った。

 先ほど紹介した名言が生まれた第一の殺人も、非常にショッキングなものだったため、印象に残っているシーンの一つに挙げられるだろう。筆者も、数百キロの鉄の照明機材に、被害者・日高織絵の体が押しつぶされている光景が目に焼き付いたように記憶に残っている。

 さまざまなトリックを行い、3人もの人間を殺害するために走り回った有森。彼がなぜ殺人を犯してしまったのか……それは恋人・月島冬子の自殺した原因となった演劇部員3人への復讐のためだった。しかし、最終的に金田一に諭され、月島が復讐を望んでいなかったことを知ると、仕掛けておいたボーガンの罠の前に飛び出し、自ら死を選んだ。「やることが多い…!!」という困惑した表情こそかわいらしい彼だが、その運命はやはりあまりにも惨たらしいものだった。

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