■「やはり暴力…!!暴力は全てを解決する…!!」

 このセリフは「露西亜人形殺人事件」の犯人である桐江想子の心の声だ。メイドとして働いていた桐江が、酔っぱらった神明にセクハラをされていた。このとき、金田一がわざとブランデーの瓶を神明の頭に落として助けたのだ。助けてもらった桐江は、金田一に感謝し、その荒っぽい解決方法に賛同すると「やはり暴力やはり暴力…!!暴力は全てを解決する…!!」という名言が生まれたのだった。

 なんと、この名言を生むきっかけをつくったのは、金田一だったのだ。このあと、彼女が犯行に及ぶことを考えると、金田一の取った行動は、少なからず彼女の後押しにつながったのかもしれない。

 そんな露西亜人形殺人事件が『金田一少年の事件簿』本編ではどのような事件だったのかというと、有名ミステリー作家の遺産相続権を賭けた暗号ゲームを行う舞台になった露西亜館で起こった殺人事件だ。

 いつきの知り合いの編集者・宝田が、暗号ゲームの候補者として選ばれたため、金田一は宝田に同行し、露西亜館を訪れるのだが、次々と殺人事件が発生してしまう……。莫大な遺産を狙った候補者たちのぎすぎすした雰囲気だけでも陰鬱な気分になるうえ、犯人の動機が遺産であったことも、余計に後味の悪さを感じさせる。まだ18歳である桐江の「金!金!金よっ!!」というセリフもかなりインパクトを与えただろう。 

 この事件では、金田一のライバル「地獄の傀儡師」である高遠遙一の登場や、後日、真犯人とも言うべき存在が明らかになるものの、彼女の圧倒的なインパクトの強さが目立っている。ちなみに、「やはり暴力…!!暴力は全てを解決する…!!」のセリフの「暴力」の部分を言い換えることで、汎用性がぐっと増すので、使用してみてはいかがだろうか。

 以上、『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』においてネットミーム化した名言と、その犯人たちが本編でどのような事件を起こしたのかについて紹介した。この他にも、『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』の悲恋湖殺人事件の犯人の「S・K」やタロット山荘殺人事件の犯人の「結局フィジカル…!!」などのセリフを好きだというファンも多いのではないだろうか。どんなシチュエーションで生まれたセリフなのか気になった人は、この機会に読んでみてはいかがだろうか。

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