■実写化との違いも楽しめる…!?『近キョリ恋愛』

 2007年から『別冊フレンド』(講談社)で連載されていたみきもと凜氏の『近キョリ恋愛』は、2014年に実写映画化されている。

 イケメンで生徒から大人気の教師・櫻井ハルカを俳優の山下智久が演じ、彼と恋に落ちる天才女子高生・枢木ゆにを女優の小松菜奈が演じている。

 原作では“ラブコメディー”という位置付けもあって、さまざまな作品のパロディーや、ゆにがたびたびコスプレを披露するなどコミカルな表現が多い本作。しかし実写映画化の際にはこのようなコメディー要素は一切省かれており、原作との違いを楽しめるようだ。

 天才がゆえに少し変わり者のゆには、担任の櫻井に惹かれているものの素直になれずにいた。そんな彼女を「子猫ちゃん」と呼び、なにかと構う櫻井。徐々に2人の距離は縮まっていき、やがて恋人同士になるのだが、禁断の恋は平坦な道のりではなかったようだ。

 人形のような美少女でありながら、中身はかなり変わっているゆに。そして彼女の不思議な魅力にある意味“ベタ惚れ”の櫻井……。彼はあまり教師らしくないキャラではあるが、現実に“こんな先生がいたら……”と思ってしまうのは筆者だけではないはずだ。

 

 学校の先生との“禁断の恋”は、現実ではありえないものの、どこか憧れてしまうシチュエーションだと思う。

 “誰にもバレてはいけない”というスリリングな日常のなか、関係を育んでいく彼ら。そして“関係に気づいた“ライバル”との攻防も見どころだったりする。

 ハラハラドキドキしながら“卒業”というゴールを待ち望み、教師と生徒という関係から解き放たれた彼らの幸せな様子に心満たされるファンも多いだろう。
 少女漫画では“王道”であるこれらの名作を、漫画でも実写でも見てみてはいかがだろうか。

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