常人離れした能力を活かして大活躍する物語の主人公も、たったひとりで生きているわけではない。もちろんなかには徹頭徹尾孤高を貫いている者もいるが、多くは仲間や大切な人がそばで支えてくれているからこそ、真の力を発揮できるのではないだろうか。
今回はそんな主人公にとってなくてはならない存在のなかから、“助手キャラ”に注目。可愛くて有能な3名のキャラについて、その魅力を紹介していく。
■ドジも踏むけど有能で仲間思い!『幽☆遊☆白書』ぼたん
Netflixでの実写シリーズ化で話題を集めている、冨樫義博氏の『幽☆遊☆白書』。主人公・浦飯幽助をはじめとして、桑原和真や蔵馬、飛影といった個性豊かなキャラクターが活躍するバトルファンタジー漫画である。
札付きの不良である幽助は、物語冒頭で子どもをかばって交通事故死し、紆余曲折のすえ生き返ったのちに、妖怪がらみの事件を解決する“霊界探偵”として働くことになった。そんな彼の助手として選ばれたのが、閻魔大王の息子・コエンマの部下であり、霊界案内人のぼたんである。
彼女はポニーテールにした水色の髪とピンクの着物が印象的な、可愛らしい女の子。明るくハキハキとしていて、姉御口調で喋るのもあって親しみやすいタイプだ。
そして、助手としては非常に有能。作中では、“心霊医術”を使って幽助たちの傷を治したり、妖気から仲間を守るなどの活躍を見せている。その実力は、当初敵として登場した飛影も、幽助に向かってぼたんのことを「なかなか有能な相棒」と評価していたほど。
また非常に仲間思いであり、誰かを守るために身体を張る場面も。日常生活においても気配り上手で、持ち前の快活さで場の雰囲気を和ませることも少なくない。一方でおっちょこちょいなところがあり、うっかり口を滑らせたりドジを踏んだりもするのだが……そこはまあご愛嬌ということで。
■小さな身体で大活躍!『ブラック・ジャック』ピノコ
今年連載50周年を迎えた『ブラック・ジャック』は、医師免許を持たない天才外科医ブラック・ジャックが数々の患者を救っていく医療漫画である。
本作の主要人物のひとりであるピノコは、双子の姉のこぶ(畸形嚢腫)のなかで、人体のパーツがばらばらにおさまった状態で生きてきた少女だ。本来なら摘出され一生を終えるはずだったが、ブラック・ジャックの手術によって人間としての姿を手に入れることになる。
見た目は幼稚園児くらいで舌足らずなしゃべり方をするが、本人曰く中身は“としごよのレレイ(年頃のレディ)”。ブラック・ジャックの妻を自称し、料理や洗濯、掃除などの家事を担当している。
ピノコは私生活でブラック・ジャックを支えているのはもちろん、手術のときに助手として働くことも多い。指示に従い器具を用意するなどの簡単な補助ではあるが、慌てず冷静にテキパキ動く姿は立派である。
さらに「ピノコ・ラブストーリー」というエピソードでは、内臓がすべて左右反転している患者の手術に苦労するブラック・ジャックを見て、とっさに持ってきた大きな鏡に患部を映すという機転をみせた。これにはブラック・ジャックも感心して、「すばらしい助手」と褒めていた。
小さな体でせっせと働くピノコを見ていると、思わず応援したくなるし、ほっこりしてしまう。本人には“子ども扱いするな”と怒られてしまうだろうが……。