『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』を始め、RPGは日本でおなじみのゲームジャンルになっている。2022年を振り返ってみると、7月29日に発売されたNintendoSwitch用ソフト『ゼノブレイド3』が同年の「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされ、その一方で、1994年のスーパーファミコン用ソフト『ライブアライブ』がHD-2Dグラフィックによってリメイクされ話題に。新旧の名作が登場し、RPGは大盛り上がりだった。
歴史を積み重ねていくにつれ、RPGにもそれなりの型ができてきた。いわゆる“お約束”や“あるある”といった類のものだ。ゲームのシステム的な都合から、あるいはプレイヤー側の心理をついたものまで、そのバリエーションはとても多い。本稿では、そんなRPGの「あるあるネタ」をいくつかピックアップしていきたい。
■物語の序盤から見えているが「今は行けない場所」
物語の序盤にフィールドやダンジョンを探索していると、謎の扉などの怪しいオブジェクトを見つけることがある。扉ならボタンを連打して調べまくったり、島なら目的地につながる橋やワープといったギミックを探したりするが、求めているものが到底見つからないことがある。
行きたいときに行けないので不便に思うこともあるが、実際こうした要素の多くは、かえってプレイヤーの意欲を盛り上げてくれる場合が多い。物語でいう伏線として機能することで、受け手に興味を抱かせ、先へ進ませるための原動力にする。
こうした要素は中盤~終盤以降に解禁されるパターンが多いので、報酬もそれなりに豪華なのがお約束だ。プレイヤーを物語に引き込む訴求力と、ゲームとしてのギミックの両面を備えた、なかなかよくできた演出と言える。
■寄り道と思って向かった先が正規ルートだった
ダンジョン内では、二手に分かれる道がいくつもある。片方は目的地へ、もう片方は別の場所へと続いているわけだが、ゲームをやり込む人であればまず後者を選びたいところ。進んだ先に、イベントや宝箱があるかもしれないからだ。
だが道は2本なので、一発で寄り道を引き当てる可能性は50%。当たりも外れも半々なので、しょっちゅう正しいルートを選んでしまう。ボス戦を予感させるセーブポイントがあったり、景色が変化したり、やたらと長い直線が続いたりと、自分が進んでいる道が正規ルートだと思わせる要素があれば、その場で引き返すこともできる。
だが、そうした根拠がないとどんどん奥へ進んでしまい、そのままメインストーリーが進行してしまうということも……。結果、行きそびれた道の先を思いながら、しばらく悶々とした気持ちでゲームを進めるハメになる。
3本以上の分かれ道なら最初に正しい道を引く確率は低く、ゲーマーからすると逆にうれしい。それでも一発で当たりを引いたときは、これは幸運なのか不運なのか、果たしてどちらと言うべきなのか微妙な気持ちになる。