■わがままで破天荒だけどどこか憎めない魔人
そして近年での最凶ヒロインといえば、藤本タツキ氏の『チェンソーマン』のパワーが欠かせない。
「チェンソーマン」になった主人公・デンジは、マキマの導きで公安対魔特異4課でバディとしてパワーを紹介される。彼女は人間の死体に悪魔が憑依した「魔人」と呼ばれる存在で、血液を操る力の持ち主。薄いベージュの長い髪と頭上に赤い二本の角が生えた外見を持つ美少女だが、中身は常識の範疇を大きく逸脱したまさに「悪魔」だった。
好戦的かつ独断専行な性格で、相手の強さによってガラリと態度を変え、分が悪いと知れば全てを放棄する「逃走癖」の持ち主。さらに重度の虚言癖まで併せ持ち、デンジに罪を押しつけるなどは日常茶飯事で、コベニの愛車でデンジたちを轢いた際には平気で「ウヌの車じゃ ワシのせいじゃない」と理不尽この上ない発言まで吐いた。
極めつけは、マキマの指示によりデンジが居候する早川アキ宅にパワーも同居することとなったエピソードで起きる。風呂に入るのもトイレでクソを流すのも「たまにしかしない派」と豪語したパワー。憤慨するデンジやアキに対して「人間は繊細じゃのぉ~!」と言い放つ始末。その美しい容姿を裏切り続ける散々なエピソード揃いだ。
テレビアニメは第1期を終え、2期への期待の声が上がっている。問題行為の多いパワーの、無邪気さや愛らしさにハートを掴まれたファンは多いようだ。