「ギャル」と言えば、1990年代から2000年代前半にかけて女子高生など、比較的若い女性たちの独特なファッションや言葉遣いなどが注目を浴びた“コギャルブーム”を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、実は令和の今、20年という年月を経て“ギャルブーム”が再燃しているという。
“令和版ギャルブーム”の火付け役とも言われているのが、伝説的ギャル雑誌『egg』だ。1995年に創刊した『egg』は当時のコギャルたちの愛読書として親しまれていたが、ブームの衰退とともに2014年に惜しまれつつも休刊していた。
そんな同誌は、2018年に『web版egg』として復活。YouTubeやSNSなどwebを中心に広がりを見せ、昨今のギャルブームを牽引していると言われている。
そこで今回は愛すべきコギャルたちの姿が描かれていた懐かしの漫画から、コギャルブームを振り返ってみたい。
■リアルなコギャルの姿を描いた『GALS!』
藤井みほな氏による『GALS!』(集英社)は、タイトルの通り「ギャル」を主人公にした作品だ。本作では、渋谷最強の女子高生・寿蘭を主人公に、さまざまなタイプのギャルが登場する。
本作に登場するギャルたちのファッションと言えば、やはり「ルーズソックス」が印象的だ。「ソックタッチ」という“靴下を止めるノリ”を使って自分好みのルーズさに調整し、思い思いのファッションを楽しんでいたコギャルたち。かつては“しわしわタイプ”や“ボリュームタイプ”など、質感の違いから長さまで、さまざまな種類のルーズソックスが販売されていた。
また、制服のスカートは“超ミニ丈”が鉄板。そして、“他校のスクールバッグを持つ”のも彼女たちのトレンドだった。本作にも「ここのカバンもってるのがコギャルのステイタスってわけよん♡」なんてセリフが登場しており、お目当ての学校のカバンを手に入れることに夢中になったコギャルも多い。
また、私服ではヘソ出しなど露出度高めの服装に厚底ブーツ、ヒョウ柄やハイビスカスモチーフのアクセサリーも大流行していた。これは当時、ギャルたちのカリスマ的存在だった安室奈美恵の影響もあっただろう。
このような派手なファッションに身を包み「渋谷109」に直行するのが彼女たちの日常で、ガングロ系から清楚系までと多種多様なファッションが存在していた。
ちなみに、令和版ギャルブームでも日に焼けた健康的な肌色は人気だが、かつてのガングロメイクのような奇抜さはない。さらに、韓国ブームなどの影響もあってか、“美白派”のギャルが増加し、かつて“お姉系”と呼ばれていたキレイめファッションが主流となっているようだ。
時代の流れによって衰退したギャル文化はあれど、一時は絶滅したと言われていたルーズソックスが近年爆発的な人気を見せ、一部の店舗では品薄状態になるなど“古き良き文化”は受け継がれている。