■『マイクタイソンパンチアウト』のKOタイミングの目印
最後は1987年に発売された『マイクタイソンパンチアウト』。こちらは断続的に2つの裏技が発見されている。
1つ目は2009年の任天堂公式サイトによるインタビュー企画「社長が訊く」にて、開発者の和田誠氏が明かした裏技。ボールド・ブル戦で、ボールド・ブルが突進してくるタイミングで観客席の右のほうでフラッシュがたかれる。それに合わせてパンチを撃つことで一撃KOが可能になるという裏技だ。インタビューの中でサラりと出た裏技なのだが、発売から実に22年後の公開であった。
2つ目は、そこから更に7年経った2016年に、ピストン本田戦の裏技が発見された。発見したのは海外ユーザーのmidwesternhousewives氏だ。
ピストン本田戦で、ピストン本田が突進してくるタイミングで画面左上のヒゲの男の表情がわずかに変わる。それに合わせてパンチを繰り出すと、こちらも一撃KOができるというものだ。発売から通算して29年ぶりの新発見となった。
発売から10年以上経過してもなお、新しい要素が発見されるレトロゲーム。これらのことから考えるに、まだ発見されていない裏技が眠っている可能性は低くないだろう。大古の化石を発掘するかのようなロマンが、レトロゲームには詰まっている。