ピッコロの「魔貫光殺砲」に我妻善逸の「霹靂一閃」も…思わず口に出して言ってみたくなる“バトル漫画の必殺技”の画像
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 この世には、思わず口に出して言ってみたくなる言葉がある。たとえば日本史で習った「墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう)」や、ピコ太郎の「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」など、語感が良く、いわゆる“口が気持ちいい”言葉だ。

 この手の言葉は、バトル漫画の必殺技でもよく見られる。これらは口が気持ちいいだけでなく、決めのシーンで派手に使われていることもあるため、より“言ってみたい度”が高い。

 今回は、そんな口に出して言いたくなるような必殺技をいくつかピックアップしてみた。

■まずはテッパン!「漢字が連なるタイプ」の必殺技

 漢字の必殺技は語感が良いだけでなく、イカつくて強い印象になるうえに技のイメージも伝わりやすい。そのため、自然と言ってみたくなる技名も多くなる。

 たとえば、鳥山明氏の『ドラゴンボール』だと、ピッコロの「魔貫光殺砲(まかんこうさっぽう)」だ。有名な「かめはめ波」を子供時代に真似した人は多いだろうが、あちらは「か…」「め…」と溜めて言う感じが楽しいのに対し、こちらは勢いのある感じが良い。

 また30代後半くらいの世代にテッパンなのは、冨樫義博氏の『幽☆遊☆白書』に登場する飛影の「邪王炎殺黒龍波(じゃおうえんさつこくりゅうは)」だろう。彼の大技は、ほかにも「邪王炎殺煉獄焦(じゃおうえんさつれんごくしょう)」があり、どちらも語感の良さから来る“言ってみたい度”は甲乙つけがたい。しかし、強すぎて封じていた力を解放するという胸アツ要素に少年心がくすぐられることもあり、やはり「邪王炎殺黒龍波」が一枚上という印象だ。

 もう一つ、和月伸宏氏の『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』から、四乃森蒼紫の「回天剣舞・六連(かいてんけんぶ・ろくれん)」も外せない。言葉だけでも気持ちいいが、響きや字面からスピード感や流れるような動きのイメージが伝わってくる。ちなみに、もっと長い言葉を言いたくなるなら、頭に「御庭番式小太刀二刀流(おにわばんしきこだちにとうりゅう)」をつけても良いだろう。

■そそられる…「横文字でキメるタイプ」の必殺技

 漢字の連打と並んで必殺技でよく使われるのは、やはり英語だろう。その点では、荒木飛呂彦氏の『ジョジョの奇妙な冒険』は、洋楽のタイトルやバンド名をベースにした能力や技が多く、横文字好きにとっては言いたい言葉の宝庫だ。

 なかでも第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する吉良吉影のスタンド、キラー・クイーンの第3の能力「バイツァ・ダスト」は語感も良く、「バイツァ」という日本語にはない響きにそそられる。 

 ちなみに、「バイツァ・ダスト」の元ネタはイギリスのロックバンドQUEENの名曲「Another One Bites the Dust」から。曲中の「アナザワンッバイツァダスッ」というフレーズもまた口に出してみたくなるので、併せてお勧めしたい。

 英語以外だと、内藤泰弘氏の『血界戦線』にはドイツ語やスペイン語の必殺技があり、さらに技を出すときに叫ぶというバトル漫画の王道を行っているので、覚えたいし言ってみたい。

 ドイツ語ならクラウス・V・ラインヘルツの「ブレングリード流血闘術999式 久遠棺封縛獄(エーヴィヒカイトゲフェングニス)」、スペイン語ならスティーブン・A・スターフェイズの「エスメラルダ式血凍道 絶対零度の剣(エスパーダデルセロアブソルート)」がアツい。技名ではないが、クラウスの決め台詞「推して参る」もセットで言えたら完璧だ。

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