■大物政治家の娘だった火野レイ
続いては、火川神社で巫女を務めるセーラーマーズこと火野レイ。現在は火川神社の宮司を務める祖父の火川宮司と2人で暮らしている。これには深い事情があり、レイの母親は彼女が幼いころに病気で亡くなっているが、大物政治家の父親は母親の死に目にも会いに来なかったため、レイは祖父のもとに家出してきたのである。
原作漫画の特別編では彼女の男嫌いな性格について掘り下げられた「カサブランカ・メモリー」という短編が存在する。彼女の複雑な家庭事情と「恋愛をしない」と誓った背景には心がギュッとなるだろう。
続いてはセーラージュピターこと木野まこと。ボーイッシュな怪力少女の彼女の両親は、なんと飛行機事故で他界している。それゆえに原作漫画では、まことには事故のトラウマで飛行機が苦手という設定があり、今は1人で都内のマンションに住んでたくさんの観葉植物を育てているようだ。
最後はセーラーヴィーナスこと愛野美奈子。港区芝公園の近辺に住んでおり、『セーラームーン』の前作で原案となった『コードネームはセーラーV』では、両親との3人暮らしで、父親は商社マン、母親は専業主婦(しかも教育ママ)であることが明かされている。
原作では英語が苦手なキャラだったが、テレビアニメではロンドンに留学してICPO(国際刑事警察機構)に協力するシーンもあり、帰国子女のため英語は得意。その代わり日本のことわざを間違って覚えているという一面を見せた。
原作とアニメでは設定に多少のブレはあるものの、まことの両親が他界していることを除いては、みな裕福な家庭に生まれており、彼女らの「親ガチャ」は大当たりだと言えるだろう。しかしレイの複雑な家庭環境や亜美の両親が離婚していることなど、裕福に生まれたからといって幸せとは限らない。やはり自分の幸せは自分で掴むものなのだ。