『SLAM DUNK』や『北斗の拳』にもグランプリ作品が…実は読者発案だった!? ジャンプの「キャッチフレーズグランプリ」を勝ち取った“印象的な名フレーズ”3選の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳【究極版】』1巻(徳間書店)

 かつて『週刊少年ジャンプ』(集英社)で開催されていた「キャッチフレーズグランプリ」をご存じだろうか。これは、ジャンプの連載作品にふさわしいキャッチフレーズを公募するという企画で、受賞者には豪華賞品が贈られ、書き下ろしイラストで受賞作品が発表されるなど、数十万件の応募を集めるほどの人気だった。

 今回はそんな「キャッチフレーズグランプリ」に選ばれた、印象深いキャッチフレーズをいくつか紹介していこう。

■記念すべきグランプリ第1号はあの名作バトル漫画!!『北斗の拳』

 1984年より開催された「キャッチフレーズグランプリ」には、一言で作品の魅力を伝える、数多くのキャッチフレーズが投稿された。初めてグランプリを獲得したのは、未だなお多くのファンを魅了し続けている世紀末格闘漫画『北斗の拳』のキャッチフレーズだった。

 本作は武論尊氏(原作)、原哲夫氏(作画)によって、1983年より連載が開始された。核の炎によって荒廃し暴力が支配する世界を舞台に、一子相伝の暗殺拳「北斗神拳」の伝承者・ケンシロウと、さまざまな強敵が激闘を繰り広げる名作バトル漫画である。

 弱肉強食となった世界での暴漢による卑劣極まりない悪行と、そんな悪党たちを打ち倒していくケンシロウの姿が大きな見どころだ。

 そんな『北斗の拳』を題材にしたキャッチフレーズは「悪党の悲鳴など だれにも聞こえない…」である。悪に対し一切の手加減をせず立ち向かうケンシロウの力強さを、見事に表した一言だ。

 記念すべきグランプリ第1号となったこのキャッチフレーズは、“燃え上がる炎を背景に拳を握りこちらを睨みつけるケンシロウ”のイラストに合わせて掲載された。名作バトル漫画をより鮮烈に印象付ける、受賞も納得の名フレーズである。

 ちなみにこのとき書き下ろされたイラストは、電子書籍版の第1巻の表紙にもなっている。

■アニメでおなじみのあのフレーズも実はグランプリ作品から!?『幽☆遊☆白書』

 冨樫義博氏による名作バトル漫画『HUNTER×HUNTER』の連載が、10月24日発売の47号で約4年ぶりに再開されたことが大きな話題を呼んだが、冨樫氏によって手掛けられた名作漫画といえば『幽☆遊☆白書』も忘れてはいけない。実はこの『幽☆遊☆白書』にも、当時「キャッチフレーズグランプリ」によって選ばれた、あまりにも有名なキャッチフレーズが存在する。

 本作は後にアニメ化もされたのだが、次回予告では毎回「伊達にあの世は見てねぇぜ!」という主人公・浦飯幽助のセリフが登場し、ファンにとって馴染み深いものとなっていた。

 しかし実はこのフレーズ、作中では一度も登場していないセリフであり、第8回「キャッチフレーズグランプリ」にて応募された「ダテにあの世は見ちゃいねぇ!!」が元となっていたのである。当時は準グランプリとなっていたフレーズだったが、後にアニメ版の『幽☆遊☆白書』に起用されることとなったのである。

 霊界を舞台とした『幽☆遊☆白書』の世界観と、幽助の勝気な性格が見事にマッチしたこのキャッチフレーズ。漫画に留まらず、アニメの次回予告の決めゼリフとして長らく愛されることになった、まさに珠玉の一言といえるだろう。

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