『ドラえもん』に登場しているのに記憶にない“幻のキャラ”3選 ドラえもんの妹「ガチャ子」や「オシシ仮面」もの画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』(小学館)第7巻

 2023年3月、新作映画『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』が公開される『ドラえもん』。King & Prince永瀬廉(23)が声優に初挑戦することが決定するなど、その詳細が少しずつ公表され、新作に期待を寄せるファンも多いことだろう。

『ドラえもん』の映画では、その作品だけに登場する限定キャラクターも多いが、実は漫画でも1度から数回ほどしか登場していないキャラクターがいるのをご存じだろうか? そこで今回は、ドラえもんに登場している“幻のキャラ”を集めてみた。

■かつて“ドラえもんの妹”として登場した「ガチャ子」

『ドラえもん』にはコミックスではいっさい描かれていない、レアキャラクターが存在する。その名は「ガチャ子」。しかもこのキャラ、なんと“ドラえもんの妹”という位置づけなのだ。

 ガチャ子は、1970年に雑誌『小学一年生』と『小学二年生』(小学館)で登場した。『ドラえもん』が始まったのが1969年なので、かなり古参のキャラといって良いだろう。

 見た目は頭に大きなリボンをつけた白いアヒルのような形をしたロボットで、ドラえもんと同じくひみつ道具を出せるが、ポケットではなく口から出す仕様だ。また、ひみつ道具なしで自ら飛ぶこともでき、ドラえもんのことは「どらちゃん」と呼んでいる。

 ガチャ子はドラえもんのようにのび太の“お世話ロボット”としてセワシくんから未来より送リ込まれたが、どちらがのび太のお世話をするかでドラえもんと争ったり、たいしたサポートもできなかったりと、なにかとお騒がせキャラだったようだ。

 藤子・F・不二雄氏は、“焦点が分裂して全く違った性格の漫画になってしまうから、ガチャ子はいなかったことになった”と、当時の公式インタビューで明かしている。

 そうして、最終的にそのままフェードアウトすることになり、残念ながらレギュラーとして残れなかったキャラの1人となってしまった。漫画での登場回数はわずか5回のみ。ただし、日テレ版アニメでは途中から登場し、『忍者ハットリくん』のハットリくんなどの代表作がある、人気声優の堀絢子(80)が声を務めていたようだ。

 ドラえもんの妹というとしっかり者のドラミを思い浮かべる人は多いだろうが、ドラミ登場以前にこんな破天荒な妹がいたことに驚きである。

■スネ夫とは真逆の性格…真面目で純粋な「スネ夫のおばあちゃん」

 大の“おばあちゃん子”として知られるのび太。映画『STAND BY ME ドラえもん2』で描かれたおばあちゃんとのエピソードは実に感涙ものだったが、実は友達のスネ夫にもおばあちゃんがおり、コミックスのなかで登場をしていたのをご存じだろうか。それが、コミックス22巻「しつけキャンディー」での回。

 久しぶりに田舎から出てきた93歳のおばあちゃんに、のび太、ジャイアン、しずかを会わせるスネ夫。“ウソをついたら地獄に落ちてエンマ様に舌をぬかれる”など、迷信やことわざを教え説くおばあちゃんをバカにし、一同は大爆笑する。

 そんな態度を見たドラえもんは「おばあちゃんをばかにするのはけしからん‼」と怒り、「しつけキャンディー」をおばあちゃんにあげる。これは、このキャンディーをなめてから迷信やことわざを言うと本当になるという道具である。

 その後、スネ夫がスネ夫ママに向かって「うるさいな。オニババ」と吐き捨てる場面では「親の悪口いうと、口がまがるよ」と言うおばあちゃん。スネ夫もスネ夫ママも「またはじまった」と、バカにした様子を見せているが、その途端、スネ夫の口が本当にグニュっと曲がってしまう。

 それからも、次々と“昔からいわれてきたこと”として、おばあちゃんはスネ夫を諭し続ける。“そまつにするとものが泣く”、“ごはんのあとすぐ横になるとウシになる”など、全部おばあちゃんの言ったとおりになっていき、スネ夫は反省していく……というエピソードだった。

 それにしても、良い味を出していたスネ夫のおばあちゃん。孫が可愛いからこそ、どんなにバカにされてもきちんとしつけを続けたのだろう。いつかの再登場を楽しみに待ちたい。

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