■もはや1シリーズに1人?うさぎのモテが止まらない

 続いては『R』の前半に登場する、アニメオリジナルの敵・エイル。エイルとアンは魔界樹から生まれた種族で、エナジーを求めて地球にやってくる。

 人間の体の「銀河星十郎」という名で転入してきたエイルはうさぎに一目ぼれをして、うさぎのために横笛で即興曲を吹いたこともある、恋に情熱的なキャラクターだ。

 最後はセーラー戦士との対決の際に「本当の愛」を知り、恋人のアンとともに新たな星を目指して旅立っていった。

 各シリーズに1人はうさぎに好意を持つキャラが現れるようで、『R』の後半に登場するブラック・ムーン一族のリーダーであるプリンス・デマンドもうさぎに恋する1人。

 30世紀の未来で、うさぎの未来の姿であるネオ・クイーン・セレニティの瞳に恋したデマンドは、過去の姿であるうさぎを自身の后にしようと彼女をさらい、銀水晶の力を封じた上でキスを迫った。作中では衛をのぞいて、もっともうさぎに思いを寄せた人物かもしれない。

 最後は『セーラースターズ』のセーラースターファイターこと星野光。アニメでは光のうさぎへの片思いがストーリーのメインとなっており、一目ぼれしたうさぎに思いを寄せて彼女と行動をともにすることが多かった。

 武内直子氏の原案では、光は衛とはるかを2で割ったイメージのようで、作中ではかつてのケンカばかりのうさぎと衛とのやりとりを彷彿とさせるシーンも多い。それでいて、2人でデートをする回や、うさぎの衛への一途な気持ちを知りながら「オレじゃだめか」と告白するドキドキのシーンもあった。

 ここまでのうさぎのモテ遍歴を振り返ってみると、彼女自身が相手をホレさせたというよりは、前世や未来のうさぎの姿に恋に落ちた人が多いようだ。キャラたちはうさぎを通して、自身の運命に向き合っていたのである。

 とはいえ、うさぎ自身が魅力あふれる心優しい人物であり、その行動によって彼らの心を動かしたのもまた事実。彼女の真のモテ要素は、ステータスではなく、その包容力や優しさにあるのだろう。

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