ファミコン時代のRPGには、あまりにも高い難易度でプレイヤーの心をへし折ってくる“魔のダンジョン”と呼べるような関門が少なくなかった。今回はどう頑張ってもなかなかゴールに辿り着けず、コントローラーを放り投げたくなったダンジョンをファミコンソフトに絞って紹介していく。
■いつになったらボスに…2時間越え!FF3の「クリスタルタワー」
最初に紹介させていただくのは『ファイナルファンタジー3』のクリスタルタワーだ。出てくるモンスターもラストダンジョンにふさわしい強さで、バックアタックを喰らうと全滅する恐れがある。
低確率で出現するドラゴンはこれまでに登場したボスクラスの強さを誇っており、レベルが上がっていないと非常に苦しい道中となってしまうのは必至。
厄介なのは敵の強さだけではない。セーブができず、始めるとラスボスまで2時間近くもかかる攻略時間の長さになっている。
1階から9階までの多階層である上に、マップが構造が複雑で休憩ポイントもない。エリクサーは多くゲットできるので、効率よく使いながら進めばHPやMPが枯渇することなく進めることはできるが、それにしたって果てしない道のりなのだ。
最上階に進んで、魔王ザンデを倒すとそのまま「闇の世界」に行くことになり、途中でセーブすることは一切できない。挙げ句、ダンジョン脱出の呪文「テレポ」などで戻ることもできないため、ひたすら突き進むしかないのである。
結果、「ゲームは1日1時間」などと決められていた少年プレイヤーには、どうやってもクリアのできない魔のダンジョンとして恐れられた。“最大の敵は家族”というのがクリスタルタワーを魔のダンジョンにしているもう一つの理由だろう。
■もはや殿堂入り? ドラクエ2最大の難関「ロンダルキアへの洞窟」
難しいダンジョンの代名詞として知られているのが、『ドラゴンクエスト2』のロンダルキアへの洞窟だ。この洞窟は地下1階から6階までとクリスタルタワーほどの長さはないが、トラップが非常に多く、進むのにとてつもなく手間がかかるダンジョンになっている。
まず1階には落とし穴、2階は無限ループ、3階は罠こそないが縦に長い複雑な構造だ。幸いここまでは敵がそれほど強くはないため、時間はかかるがなんとか進めることはできる。しかし、問題はその先。4階から一気に難易度が上昇する上、5階は1階とは比べものにならないほどの数の落とし穴が仕掛けられている。
4階に落とされるたびにキラーマシンやハーゴンの騎士ら凶悪なモンスターたちと遭遇する羽目になり、攻撃を喰らうとサマルトリアの王子やムーンブルクの王女は高確率で死んでしまう。そのため、4階以降はアイテムやMPをどんどん消耗していくことになる。
落とし穴の位置を覚えて6階に辿り着いても、またもや無限ループの罠が待っており、適当に進んでいると永遠に抜け出せない。やっとのことでダンジョンを抜けても油断はできない。ほこらに着く前にブリザードのザラキで全滅させられる恐れがあるのも鬼畜ポイントだった。