『ジョジョ』や『HUNTER×HUNTER』も…名作漫画に隠された“タイトルやキャラの意外なネーミング秘話”3選の画像
『ジョジョの奇妙な冒険』1st Season コンプリート DVD-BOX

 漫画のタイトルや登場人物の名前は、作者のネーミングセンスが光る部分だろう。読み手に強烈なインパクトを与える固有名詞の数々は、ときとしてあまりにも意外な「誕生秘話」があったりするものである。

 今回は有名漫画作品に隠された、知る人ぞ知るネーミングの秘密についていくつか見ていこう。

■長年語られた秘話が実はデマだった!?『ジョジョの奇妙な冒険』

 1986年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載を開始し、未だなおアニメ化、ゲーム化といったメディアミックスを続ける人気作品『ジョジョの奇妙な冒険』。実はこの連載初期のとあるキャラクター名にも思わぬ誕生秘話が存在しており、ファンの間で語り継がれている。

 記念すべき第1部の「ジョジョ」となる英国貴族の主人公・ジョナサン・ジョースターだが、作者の荒木飛呂彦氏が作品についての打ち合わせを行う際に利用していたのが「ファミリーレストランのジョナサンだった」からこの名前を付けたという話が、有名な誕生秘話として広まってきた。

 しかし、2012年、『ジョジョ』連載25周年を記念して制作された『JOJOmenon』のなかで、実はこの噂が「デマ」であったということが荒木氏本人によって明かされた。というのも、実は打ち合わせを行っていたのは当初、別のファミリーレストランの「デニーズ」だったのだが、主人公・ジョナサンの名が広く浸透してほしいための方便として、荒木氏自身がこの噂の発信源となったそうなのだ。

 確かに「ファミリーレストランの名前が由来」という内容は意外性もあり、ファンとしては思わず誰かに語りたくなる豆知識だ。それが連載開始から数十年後、作者自身の口からからくりが明かされることになった、なんとも「奇妙」な誕生秘話である。

■名作バトル漫画のタイトルは「あの二人」によって生み出されていた!?『HUNTER×HUNTER』

 1998年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載が開始され、いまだなお多くのファンを魅了し続ける名作バトル漫画『HUNTER×HUNTER』。稀少な事物を追求する「ハンター」を目指す主人公・ゴンの冒険と戦いを描いた、冨樫義博氏による長編活劇作品だ。

 そんな『HUNTER×HUNTER』だが、いわずもがなこれはゴンたちが目指す「ハンター」を題材にしている……ということはすぐに読み取れるだろう。しかし「なぜ、同じ言葉が2回続くのか」という点で、実は意外な誕生秘話があるのだ。

 なんでも、作品のタイトルを考えていた冨樫氏が、たまたまお笑いコンビ『ダウンタウン』をテレビで観たことがこの作品のタイトルが生まれるきっかけとなったそうなのだ。

『ダウンタウン』の漫才やフリートークでは、ボケ担当の松本人志がわざと同じことを繰り返すのに対し、浜田雅功が「何で二回言うねん」とツッコむのがお決まりの流れとなっていた。冨樫氏はこの浜田の一言を聞き「これだ」と思い、単語を2回続けてみたというわけなのだ。(コミックス6巻より)

 バトル漫画とお笑い……というとどこかかけ離れたジャンルに思えるが、意外なところからヒントを得たことで多くのファンに親しまれるタイトルが誕生したという秘話。作者である冨樫氏の直観力を感じ取れる、なんとも面白いエピソードである。

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