尾田栄一郎氏による人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』。今年8月に最新作映画『ONE PIECE FILM RED』が公開され、観客動員数は1327万人、興行収入は現在184億円に迫る勢いと、現在も大ヒット上映中だ。(11月21日現在)
今回の映画では本作でも重要な存在であるシャンクスの娘・ウタがヒロインということで、主人公・ルフィ率いる“麦わらの一味”以外の登場人物にもあらためて注目が集まっている。
漫画でも主役級ではないが重要なキャラは数多く存在しており、筆者も読み返すたびにその存在の大きさを再確認しているところだ。そこでここでは、尊い犠牲となった忘れられない陰のヒーローたちを紹介したい。
※以下には、コミック『ONE PIECE』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■麦わらの一味に未来を託し犠牲となった「ペドロ」
まずはじめに紹介するのは、ホールケーキアイランド編で一味の出航を手助けした「ペドロ」。このエピソードでは政略結婚のためにサンジが一味を抜けそうになったり、四皇の1人「ビッグ・マム」と対決をしたりと、見どころ満載だった。
サニー号には「ゾウ」という島で出会ったミンク族のペドロやキャロットが同行。最悪の世代に名を連ねるカポネ・ベッジや、サンジの家族のヴィンスモーク一家とも共闘してビッグ・マムたちを翻弄させたかのように見えたが、やはり敵は四皇の1人で敵いそうにない。
そう悟り、サニー号で逃げようとしたところで、ビッグ・マムの長男であるシャーロット・ペロスペローが「ペロペロの実」の“キャンディ”を操る能力で、サニー号の船体を陸と固めてしまう。
出航ができないルフィたち。ここで、ゾウからルフィたちと同行していたペドロが前に出る。見ると、お腹に爆弾を巻き付けていた。ペドロは固まったキャンディを爆破することで、一味の出航を確実にしようとしていたのだった。
ペドロは「ここでルフィ達を生かし出航させる事が どれ程に意味のある事か——いずれわかる!!」「いいか ゆガラ達は 前へ進め!!」と、そんな言葉を残して、ペロスペローを巻き込み、自爆した。
彼のおかげで“キャンディ地獄”から解放されたサニー号は、なんとか出航。“キャンディマン”にされ、死の淵にいたチョッパーとブルックも助かった。
そんなペドロ、実は海賊王ゴール・D・ロジャーと幼いころに出会っており、そこでロジャーから「小僧! お前はまだ“待機”だ!! いいか 人には必ず『出番』ってものがあるんだ!!」という言葉をもらい、それを座右の銘にしていた。
ペドロが、“今”がその出番だとあの瞬間感じたことが、読み返すたびに強く伝わるシーンだ。彼は麦わらの一味のために散っていった登場人物として漫画内でも語られ、『ONE PIECE』ファンの心に残るキャラクターとなった。