１９９６年にゲームボーイソフトとして発売されて以降、数十年に渡ってさまざまなハードとともに進化を遂げ、いまなおアニメや映画といったメディアでも絶大な人気を誇る、名作ゲーム『ポケットモンスター』。
子どもから大人まで幅広く愛される『ポケモン』シリーズだが、プレイヤーにとってどこか「トラウマ」とも呼べる、恐ろしい雰囲気の街やダンジョンが存在するのをご存じだろうか？ 今回は『ポケモン』に登場する、そんなホラーテイストなスポットについて紹介していこう。
■音楽、施設、人間、至るところから感じる不穏な空気…「シオンタウン」
シリーズの記念すべき初代作品となった『ポケットモンスター 赤・緑』だが、作中で６番目に訪れるシオンタウンはほかの街とは何もかもが異質で、足を踏み入れたプレイヤーたちを驚かせた。
なにより、その無機質かつ不気味なＢＧＭが当時の子どもたちの恐怖を掻き立てる一つの要因だったと思う。これはシオンタウンにポケモンの霊園があることから、あえて物悲しい雰囲気を演出しているのだが、今まで明るくポップだったほかの街とはあまりにもテイストが異なっている。
加えて、霊園という存在から「幽霊」や「怪奇現象」といったものを連想させる演出も多く、「あなた ゆうれいは いると おもう？」と問いかけてくる少女が「あなたの みぎかたに しろい てが おかれてる なんて ……あたしの みまちがいよね」なんて発言をしたり、霊園のあるポケモンタワーには明らかに精神に異常をきたしたトレーナーがいたりと、あの手この手でプレイヤーの精神を揺さぶってくる。
ゴーストタイプのポケモンが多く登場するスポットとしての個性付けなのだが、どこか全体的に暗いイメージを抱かせることから、トラウマとなったプレイヤーも多いようだ。その不穏な空気からさまざまな“都市伝説”も生まれている、初代ポケモンに登場するホラースポットである。
■あまりにも直球な心霊スポット…「もりのようかん」
『ポケットモンスターダイヤモンド・パール・プラチナ』に登場した「もりのようかん」は、見た目だけでなく明らかな「怪奇現象」が演出される屈指のトラウマスポットだ。
このダンジョンは名前の通り、ハクタイのもりの出口付近に存在する古びた洋館で、人は住んでおらず、立ち入ってみると床板が剥がれていたり、壁が崩れていたりと、長い間放置されていたことがうかがえる。
ＢＧＭも実に暗い雰囲気で、例に漏れずここでもゴーストタイプのポケモンが多数登場する。そんなおどろおどろしいディテールに拍車をかけるのが、洋館内部で起こる数々の不可解な「怪奇現象」である。
館に侵入してからたびたび、プレイヤーの前に謎の老人と少女が姿を現し、不意に消えてしまう。しかも足を動かさず、まるで浮かんでいるかのようにスゥッとスライド移動するさまは、彼らが「この世のものではないのでは……？」と、一抹の不安を抱かせるのだ。
この老人や少女が誰なのか、そもそもあの現象はなんなのか、ということを説明する公式的な回答は今のところ存在していない。ファンによってさまざまな憶測が飛び交う、なんとも不気味なトラウマスポットである。
ツイート
シェア
LINEで送る
