『北斗の拳』で日常使いもされている“名言の出どころ”まとめ6選 「今日を生きる資格はねぇ」「おれの名をいってみろ」の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳【究極版】』1巻(徳間書店)

「おまえはもう死んでいる」……世代、性別問わず、誰しも一度は耳にしたことのある言葉だろう。原作・武論尊氏、作画・原哲夫氏による格闘漫画『北斗の拳』の主人公・ケンシロウの決めゼリフだ。一子相伝の暗殺拳「北斗神拳」を使って悪党を倒す際、よくこのセリフを言っている。

週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載は1983年から、テレビアニメシリーズの放送は1984年からなので、どちらも開始から40年近くたっている。それでもなお日常で生き続けている、本作から生まれた名言の数々。なかには、セリフは聞いたことがあるが出どころは知らない、あるいは忘れてしまったという人も多いのではないだろうか。

 そこで今回は『北斗の拳』から、日常使いもされている名言の出どころをまとめてみた。

■「てめえらに今日を生きる資格はねぇ‼」

 主人公・ケンシロウのセリフ。命をかけて“種モミ”を守ろうとする老人、通称「種モミじいさん」のエピソードとセットで覚えている人も多いかもしれない。

 旅の途中、ケンシロウはある老人と出会う。老人は貧しい村を救うために種モミを手に入れ、それを持って帰る途中だった。村に今ある食糧がなくなっても、種モミさえあれば毎年米が実る、そうすればもう食べ物を奪い合うこともなくなるから、と。

 しかし老人は悪党どもに襲われ、懸命に種モミを守ろうとするも呆気なく殺されてしまう。それに激怒したケンシロウの言葉が「てめえらに今日を生きる資格はねぇ‼」だ。

 今日よりも明日を守ろうとした老人の思いを汲んだうえでの一言だろう。

■「てめえらの血は なに色だーーっ‼」

 南斗水鳥拳の伝承者・レイのセリフ。端正なルックス、美しい拳の型、そして愛する人に捧げた生きざまから、女性人気の高いキャラだ。

 妹・アイリの住む村が襲撃されたと聞き、急ぎ村に向かったレイ。そこで目にしたのは、自分がボロボロになりながらもアイリの身を案じ続ける少女・リンの姿だった。レイはそんなリンの姿に心を動かされると同時に、健気で幼い少女ですら非情に痛めつける悪党に対する怒りに駆られて、「ゆるさねえ……」「てめえらの血は なに色だーーっ‼」と叫ぶ。

 “とても人間とは思えない”という意味で、相手の非情さを最大限に非難する言葉だ。

■「おれの名をいってみろ‼」

4人の北斗神拳伝承者候補の一人にしてケンシロウの義兄・ジャギのセリフ。程よい小者感が一周回って人気になり、一部ファンからは「ジャギ様」と呼ばれて親しまれている。

 ジャギのモットー(?)は「兄より優れた弟など存在しない」。そのため、弟のケンシロウが北斗神拳の正当な伝承者に選ばれたことに、どうしても納得がいかない。伝承者を辞退するようケンシロウに強要するが、返り討ちに遭って半殺しにされ、以降ずっと逆恨みを募らせてきた。

 やがてケンシロウは、世紀末の救世主「胸に七つの傷をもつ男」として噂され始める。ジャギはその名を汚すため、わざわざ胸に七つの傷まで作ってケンシロウになりすまし、「おれの名をいってみろ‼」と叫びながら暴虐の限りを尽くす。これを機にジャギはケンシロウと再開して戦うことになるのだが、最後は卑怯な手を使った挙句に調子に乗ってケンシロウを激怒させ、無惨に始末されてしまった……。

  1. 1
  2. 2