カンフー映画や侍映画やヤンキー漫画など、周りを囲む大勢の敵たちを一人の人物がやっつけるシーンは痺れるほどカッコよく爽快だ。アニメでもそうした「一人VS多勢」が描かれるケースはあり、特にロボットアニメでは爆発もあり大きく派手な、大迫力の名シーンが生まれてきた。
そこで今回は過去の名作ロボットアニメの中から、筆者が特に痺れた「無双シーン」を量産するキャラクターを何人か振り返ってみたいと思う。
■「乗り捨て上等」スタイルで無双するキリコ・キュービィー
まずはテレビアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の主人公であるキリコ・キュービィーの無双シーンの数々。高橋良輔氏による監督作で1983年からスタートしたテレビアニメの他に多数のOVAシリーズが展開された同作。
作品の多くにはキリコが登場しており、その先ではいつも大規模な戦闘が起きる。キリコは否応なしにそれに巻き込まれ、最初は仲間がいるときもあるものの、最終的には孤立して単独で大勢を相手に戦うことになる。
そうして基本的に「1VS多」で戦うことになるキリコ。エースパイロット並の実力を持っているが、あくまでも“最強”キャラではないところが逆に魅力的。キリコの乗る機体の多くは撃墜されてしまうからだ。
そして、この撃墜後からがキリコの真骨頂。キリコは1つの機体に縛られることは無くさまざまな機体を乗り回す。時には相手の機体を奪い取ったり、時には放置されている機体に乗ったり、強靭なメンタルとすさまじい判断力でどんな困難をも突破し戦闘を継続してしまう。
機体を頻繁に乗り換える主人公は他作品ではあまり見かけないが、それだけにユニークかつ見応えがある。『装甲騎兵ボトムズ』未見の方は、是非とも視聴して彼の活躍に度肝を抜かれてほしい。