■まだまだある人気作!『SLAM DUNK』完結の次号からは『封神演義』がスタート!
ここで紹介できなかった作品も抜粋しておこう。
まずは、秋本治氏『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。スタートは1976年なので、1996年当時は実に20年も連載が続いていたこととなる。どの世代にも愛される「両さん」の活躍は、2016年まで長く続いた。
『るろうに剣心』とともに1990年代後半の『ジャンプ』を支えたのが、真倉翔氏と岡野剛氏による『地獄先生ぬ〜べ〜』だ。主人公・鵺野 鳴介(ぬ~べ~)が鬼の手で妖怪や怨霊を退治していくが、それなりにグロイ描写もあったので当時は衝撃を覚えたものである。
伝説のロックバンドを彷彿させる、梅澤春人氏の『BOY』。主人公・日々野晴矢は高校生ながら世界征服の野望を持つキャラで、学生服の背中からはなぜかフライパンやバットが登場して敵を壊滅していく。ギャグ要素が強いものの、登場人物のひたむきな生きざまに感動した。
競馬漫画のつの丸氏による『みどりのマキバオー』。「マキバオー」をはじめとした主役の馬たちが言葉を話す設定も、斬新で面白かったものだ。
そして『SLAM DUNK』が完結した翌週の第28号からは藤崎竜氏による『封神演義』がスタートする。中国史で有名な『三国志』や、現在大人気の『キングダム』よりもはるか前の時代を描いた1990年代後半の『ジャンプ』を支えた人気漫画だった。
本作で世界史でわずかに登場する殷や周、受験勉強でしか知らなかった妲己や紂王、太公望を知ることになった読者も多いことだろう。
『SLAM DUNK』最終巻の掲載漫画は、今もなお知られる素晴らしい作品ばかりだったことに驚く。現在も『週刊少年ジャンプ』からは面白い漫画が次々と登場しているが、これらも歴史に残る名作が生み出されていくに違いない。