■雰囲気とストーリーのギャップに心えぐられる『OMORI』

 アメリカのインディーゲームスタジオ・OMOCATによる『OMORI』は、無表情な少年・オモリと個性的な仲間たちの冒険を描くRPG。あるとき友だちのひとり・バジルが姿を消してしまい、オモリたちは彼をあちこち探し回る……という展開だ。

 バトル要素はあるが、ターン制となっており操作面での難しさはないものの、仕組みを理解するまでは少しややこしく感じるかもしれない。

「ヘッドスペース」と呼ばれるカラフルな世界が舞台となっていて、一見とにかく可愛くてポップなものの、ゲームを進めるうちにカラフルな世界の裏に隠されたものが明らかになっていき、心臓に悪いシーンも多々ある。メインストーリーが途中までほのぼのと進んでいくぶん、逆に恐怖が際立つのだ。

 クリアまでにかかった時間は25時間ほどだったが、その時間があっという間に感じられる作品だった。とくにラストにかけての怒濤の展開は一瞬たりとも見逃せない濃さがあり、筆者自身、クリア後はしばらく放心してしまうくらい物語に没頭してしまった。ほんわか系の世界観と重厚なストーリーとのギャップを、ぜひ実際に体験してみてほしい。

 

 少数精鋭で、こだわりが詰め込まれた「インディーゲーム」。個性的な作品が多いからこそ、自分に刺さるものに出会えたときは感動もひとしおだ。

 今回紹介した作品は、いずれもパソコンやニンテンドースイッチでプレイ可能。インディーゲームが気になり始めた人の参考になれば幸いである。

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