■命懸けの覚悟で男を見せたゾロの「……なにも!!! な゛かった…!!!!」

 続いては、ゾロが政府の人間兵器“パシフィスタ”であるバーソロミュー・くまと遭遇した際の名ゼリフを。

 元王下七武海のゲッコー・モリアや四怪人との戦いでボロボロになった麦わらの一味の前に、くまは現れた。政府から“麦わらの一味の完全抹殺”の命令を受けているため、“ルフィの首一つでそのほかは見逃す”と条件を出してくる。

「断る!!!!」と拒否する一行に向け、くまは「熊の衝撃(ウルススショック)」を放ち壊滅状態に。いざルフィに手をかけようとしたそのとき、瀕死のゾロが斬りかかるもまったく効かない。ここまでと悟ったゾロは、「……わかった 首は…やるよ」「……ただし身代わりの……このおれの命一つで!! 勘弁して貰いてェ……!!!」と、命を差し出す。その場に来たサンジも身代わりになる意思を見せたが、ゾロは自分一人で引き受けようと刀の柄でサンジを打ち、気絶させる。

 その姿に「……これで“麦わら”に手を出せば 恥をかくのはおれだな」と、くまは温情を見せるが、「そのかわりお前には 地獄を見せる……!!!」と、ニキュニキュの実の能力でルフィの身体から蓄積された“痛み”と“疲労”を抜き出し、ゾロに“苦痛”を与える。

 ほんの一部の“苦痛”を受けただけで絶叫するゾロだが、その後、皆に知られないよう場所を変え、すべての“苦痛”を自ら引き受けた。

 目を覚ましたサンジに発見されたゾロは、血溜まりのなか一人どうにか立っている状態だった。「ここで何があった……!!?」と驚き、尋ねるサンジに「......なにも!!! な゛かった….!!!!」と答えるゾロ。

 命懸けで船長の身代わりになる覚悟、それを誰にも知られないようにする振る舞い、ゾロが海賊になった経緯や世界一の剣豪になる夢をも思うと、なんとも泣けてくる話だ。人知れず誰かのために行動し、見事解決できた時に使ってみたい言葉である。

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