映画『ONE PIECE FILM RED』が週間観客動員ランキングで11週連続1位、興行収入は公開72日間で約171億91万2060円を突破するなど、人気が止まらない尾田栄一郎氏の『ONE PIECE (ワンピース)』。
本作ではさまざまな名言、名ゼリフが生まれているが、そのなかから「人生で一度でいいから使ってみたいと思う名ゼリフ」を紹介したい。誰かとの別れを迎えるとき、窮地にいるとき、人生の岐路に立ったとき、こんなセリフを言えたら最高ではないだろうか。
※以下には、コミック『ONE PIECE』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■恩人との別れ際にサンジが言った「……長い間!!! くそお世話になりました!!!」
まずは、サンジの名言のひとつを紹介したい。海上レストラン「バラティエ」を辞め、ルフィとともに海賊になる決意をしたサンジがオーナー・ゼフに向けて言った“あの言葉”だ。
かつて、クック海賊団の船長として、“偉大なる航路”で1年間もの航海をしたゼフ。襲撃しようとした船の見習いコックのサンジが、自分と同じ「オールブルーを見つける」という夢を持っていることを知る。
その日はひどい嵐で船は転覆。大荒れの海からサンジを助けるも遭難し、無人島にたどり着いた二人。食料が足りないと悟ったゼフは手持ちの食料をすべてサンジに渡し、知られないよう自分の片足を……。そして命をつないだ。
ギリギリの状態で生還したのち、ゼフはバラティエをオープンする。サンジはゼフに恩返しするべく、コックとしてバラティエを守ってきた。
この時点ですでに大感動のストーリーなのだが、さすがは海の荒くれ者を率いていた元船長、一筋縄ではいかない。ゼフもサンジも口が悪く、悪態つきまくりで、お互いの呼び名も最初から「クソジジイ」と「チビナス」だ。客は海賊でも海軍でも誰でもウェルカムで、その環境に引き寄せられるかのようにガラの悪いコックが集まり、レストランというより“海賊船”のような雰囲気に。
そんな苦難を超えてきた二人の別れ際。クールに立ち去ろうとするサンジに対し、ゼフは「カゼひくなよ」と一言。これに涙をこらえ切れなくなったサンジは、「クソジジイ」ではなく「オーナーゼフ!!!」と呼び、「……長い間!!! くそお世話になりました!!!」と頭を下げて叫ぶ。笑みと涙を浮かべ、サンジの船出を見届けるゼフの姿は、“親”そのものだった。
大切な人との別れの際、こんなふうに素直に(!?)感謝を伝えられたら……そう思える名言だった。