■湘北対山王戦の裏で繰り広げられていた「もう1つの大会」?

 スポーツマンガ史に残る名勝負となった「湘北vs山王工業」の一戦。無名の湘北が、高校バスケ界の王者・山王工業に食い下がる激闘の最中、秘密裏(?)に開催されていた謎の大会の存在が、コミックス26巻に収録されたおまけカットで明らかになる。

 その大会の名は「丸い背中大会」。出場者は桜木花道と山王工業の隠し玉210センチの巨体を誇る河田美紀男、そして作者の井上雄彦氏までもが参戦し、3名が並んで“丸い背中”を向けているという、シュールかつほほ笑ましいカットが描かれていた。

 灼熱のインターハイの裏では、このような厚い……もとい熱い戦いが繰り広げられていたことを記憶の隅に留めておこう。

■炎の男・三井寿のスタミナ切れもネタに?

 湘北高校バスケ部に混乱をもたらすも、改心して部に復帰した三井寿。中学MVPの実績を誇る天才的なシューターだが2年のブランクは大きく、県大会の翔陽戦ではスタミナ不足が露呈する。

 疲労困憊でフラつく三井は湘北ベンチの1年生にまで心配されていたが、そんな苦境に置かれた三井は「こういう展開でこそオレは燃える奴だったハズだ…!!」と自らを鼓舞した。

 だが、そんな名シーンの直後のおまけカットには、勇ましい言葉を語った三井の体を指でつつく無慈悲な花道の姿が……。つつかれた三井は案の定フラつき「ああっ」と情けない声を上げる場面が描かれていた。

 ちなみに本編ではその後、華麗な連続3ポイントを決めて、力強いガッツポーズを披露した三井。それなのに直後のおまけカットでは、再び花道に体をつつかれてフラフラしている情けない姿が描かれている。

 このように、本編とは直接関係ないコミカルなシーンが描かれたおまけカットには、作者の井上雄彦氏の遊び心が詰まっている。それに本編では見られないキャラクターの意外な素顔がチラッと見えたりもするので、気になる方はあらためてコミックスを読み返してみるのもオススメだ。

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