■幸せな時間から突き落とされる恐怖!(『ドラえもん のび太の宇宙漂流記』)

 続いて紹介するのは、1999年に公開された映画『ドラえもん のび太の宇宙漂流記』。宇宙探検ゲームの中に閉じこめられたジャイアンとスネ夫を追いかけて、のび太たちは宇宙へと旅立つ。そこで出会ったのが移住できる星を探し、宇宙船であちこちを調査しているリアンという少年たちだった。

 リアンの宇宙船に乗せてもらったのび太たちは、いろんな危険な目に遭いながら、その途中で霧に包まれた星に降り立つ。そこは地球そのもので、のび太たちは無事に地球に帰ってこれたことを喜んだ。

 それぞれの家に帰ることになったが、のび太のパパやママは怒ることなく、のび太やドラえもんのために豪華な食事を用意。それを食べようとしたとき、のび太はポケットに入れていた不思議な石がお尻に刺さる。その痛みで正気に戻ったのび太の目の前にいたのは、パパとママの声を出す不気味な樹木のような怪物。地球だと思っていた場所や家族の姿は、すべて怪物が見せた幻覚だったのである。

 その樹木の怪物は触手のようなウネウネとした手足を持ち、のび太たちを追跡。幸せな家族の団らんが突然終わりを告げ、恐ろしい怪物に追われることになる展開はトラウマ級の恐ろしさだった。

■大量の爬虫類が地面を埋め尽くす怖さ(『ドラえもん のび太の太陽王伝説』)

 最後に紹介するのは、2000年に公開された映画『ドラえもん のび太の太陽王伝説』。ドラえもん誕生30周年記念作品として製作された、古代文明を舞台とした長編ストーリーだ。

 ある日、ジャイアンに奪われたひみつ道具を取り返すため、のび太とドラえもんはタイムホールを使用。ジャイアンが寝ている隙に奪還を狙ったが、ジャイアンともみ合いになってしまい、タイムホールが壊れて時空が歪んでしまう。

 こうして古代のマヤナ国に迷いこんだのび太は、自分そっくりな王子ティオと遭遇。お互い入れ代わってそれぞれ新鮮な生活を満喫する。ティオ王子はジャイアンやスネ夫、しずかちゃんとも仲良くなり、みんなでマヤナ国を訪れることに。

 そんな最中、ティオ王子に仕える女の子ククが不気味な魔女にさらわれてしまう。ティオが一人で救出に向かったことを知ったのび太たちも助けに向かった。

 そして無事にティオと合流するも、深い谷底のような行き止まりにぶつかった一行。タケコプターも電池切れで使えない中、ジャイアンが崖を登ろうとすると大量の白いヘビが現れる。地面を覆い尽くすほどの大量のヘビに、しずかちゃんは悲鳴を上げていたが、塊になって上からボトボトとヘビが降ってくるシーンはそれだけおぞましかった。

 この作品には呪術のシーンやドクロ、無数の骸骨など、随所でおどろおどろしい描写がある。それに加えて爬虫類が苦手な自分にとってはこのヘビのシーンは極めつけで、ひたすら恐怖を感じた作品である。

 映画版『ドラえもん』は、めったに見られないレアなひみつ道具が登場したり、感動的なドラマにワクワクさせられる。また、テレビアニメよりもシリアスなストーリーが描かれることが多く、それだけに怖いシーンもたくさん存在するのかもしれない。あなたにとって一番恐ろしかったのは、どんなシーンだろうか。

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