ほぼ毎年のように公開される『ドラえもん』の劇場版作品。2023年は『のび太と空の理想郷』が公開予定であることが発表されている。
映画版の『ドラえもん』はテレビアニメとはまた違った雰囲気の長編で、仲間思いで勇敢なジャイアンが描かれるのも映画ならではの風物詩。ドラマチックなストーリー展開に感動させられることも多い。
一方、そんな映画『ドラえもん』の中には、大人でもゾッとするような恐ろしいシーンがまれに登場する。そこで今回は、個人的に忘れられない映画『ドラえもん』での恐怖シーンの数々をご紹介したい。
■いつもの食卓と何かが違う…(『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』)
まず最初に紹介するのは、1988年に公開された映画『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』。のび太たちはタイムマシンで中国の唐の時代に行くが、ヒーローマシンというひみつ道具を出しっぱなしにしたことで、現実世界にまで影響を及ぼすというストーリーだ。
そんなことは知らずにタイムマシンで現代に戻ったのび太たちは、いつもどおりママが作った夕飯を食べる。のび太とドラえもんはおいしい唐揚げを絶賛し、それに気を良くしたママは「そうでしょう。今日はのびちゃんの大好きなカエルとヘビよ」と怖いことを言った。
さらにママが「はい、おまちどうさま。パパの好物トカゲのスープ」とテーブルに置いたのは、毒々しい色をしたトカゲがそのまま入った緑色のスープ。あまりにもエグいこの料理のビジュアルは衝撃的だった。それにこのときのパパやママの声の演技も不気味で、より恐ろしさを際立たせている。
ほかにも、のび太のクラスの担任が服を破って妖怪に変身するシーンや、ママが階段を軋ませながら上がってくるシーンなど、まるでホラー作品のような演出も。ふだんのほのぼのとした『ドラえもん』のエピソードからは考えられない恐怖展開の連続が忘れられないファンは多いのではないだろうか。